東京メトロスマイルフェスタ’09 in AYASE(2009年12月5日)


綾瀬車両基地の留置線に並ぶ6000系

イベントレポートは古くならないうちに…

去る2009年12月5日(土)、東京メトロ千代田線綾瀬車両基地の公開イベント「東京メトロスマイルフェスタ’09 in AYASE」が開催されました。正午からおよそ1時間半ほどですが、この様子を取材してまいりましたのでレポートしたいと思います。

綾瀬車両基地の概要



 東京メトロ千代田線綾瀬車両基地は綾瀬駅から伸びる通称北綾瀬支線の終点、北綾瀬駅の先にあり、これまでも何度か公開イベントが行われたことがあります。今回のイベントは千代田線大手町~綾瀬間の開業40周年、綾瀬~北綾瀬間(通称北綾瀬支線)の開業30周年を記念して行われたもので、これまでとは異なり事前応募が不要のイベントも数多く開催されたのが特徴です。
 この綾瀬車両基地では千代田線のほか、有楽町線、南北線、計3線の車両留置と日常的なメンテナンスが行われています。有楽町線は霞ヶ関駅付近の連絡線で、南北線は市ヶ谷駅付近で有楽町線と直接線路がつながっており、この線路を活用する形で千代田線6000系の更新工事は有楽町線の新木場車両基地で行われたほか、2008年からは小田急線と直通する特急ロマンスカー「MSE」がこの連絡線初の定期列車として運行されています。

イベントの内容


左が10000系、右が06系


左が06系、右が9000系


左:10000系の行先表示。「通勤特急 元町・中華街」を表示。
右:06系に付けられたヘッドマーク。

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 ファンであればまず注目する屋外の留置線の展示車両ですが、今回は有楽町線・副都心線10000系、千代田線06系、南北線9000系(2009年春に営業運転を開始した5次車)というラインナップでした。また、事前応募制のイベントとして運転台見学用に有楽町線・副都心線7000系、車体洗浄見学用に千代田線6000系がそれぞれ使用されました。ちなみに、10000系は3年後に開始が予定されている東急東横線との直通で使用される「元町・中華街」の行先を前面のLEDに表示していました。


日比谷線3000系


左:3000系車内
中:3000系の運転台
右:車内の壁面にある製造銘板。「汽車会社」はかつて江東区に工場があったが、川崎重工と合併したため閉鎖された。

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 綾瀬車両基地のもう1つの注目車両は2008年に長野電鉄から里帰りした日比谷線3000系です。この3000系3001・3002号車は1961(昭和36)年の日比谷線南千住~仲御徒町間の開業用として製造された車両で、後継車両である03系導入に伴い1994(平成6)年に引退しました。3000系は日比谷線から引退後、一部の車両が長野県を走る長野電鉄に譲渡されていましたが、この3001・3002号車は記念すべき第1号車であることから当初は営団地下鉄での保存が予定されていました。しかし、長野電鉄側で車両が不足したことから、急きょこの車両も譲渡対象に含めることとなり、この際長野電鉄側に対し「使用を終了する際は営団に連絡すること」という申し合わせがなされたうえで長野電鉄に引き渡されました。その後、2006年に実際に長野電鉄での使用が終了することとなり、今回の東京メトロへの里帰りが実現したものです。
 東京メトロへの返却後は、長野電鉄への譲渡後に追加されたワンマン運転用の機器をすべて撤去するなど営団時代の姿に完全に復元されており、以後常に自走可能な状態が維持されています。この車両は東京メトロの車両整備士のための「生きた教材」として今後も利用される予定です。


クレーンでつり上げられる6000系電車(2枚合成)
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 このほか、工場建屋内ではクレーンを使用した車体と台車の分離作業の実演を、屋外では飲食物、鉄道グッズ(東京メトロ・小田急・東急)、部品類の販売が行われました。また、事前応募制のイベントとしては前述の7000系電車の運転台見学・車体洗浄見学の他に保守用車両の運転台見学、高所作業車の乗車体験が行われ、こちらは主に子ども連れの人たちに人気だったようです。

千代田線に新型車両導入へ

 去る2009年12月21日、東京メトロは千代田線へ新型車両「16000系」を導入することを発表しました。この16000系は有楽町線・副都心線用の10000系をベースに、新しい駆動システムである永久磁石同期電動機(PMSM)を採用し消費電力をこれまでより10%削減しています。営業運転は来年秋ごろを予定しており、導入両数が160両(16編成)となっていることから更新工事が行われていない6000系車両を置き換えるものと思われます。
 一方、千代田線に乗り入れを行っているJR常磐線でも先日新型車両E233系2000番台が営業運転を開始し、203系・207系900番台を置き換える予定です。(後者についてはこの綾瀬車両基地のイベントと同日に「さよなら運転」が行われた。)今後数年間、千代田線を走る車両には大きな変化が続くものと思われます。


おまけ:東京メトロのシンボル「ハートM」が入ったマンホール


▼参考
交友社「鉄道ファン」2008年8月号(通巻567号)126・127ページ「復原工事で伝承 東京メトロ3000系復活ストーリー」
東京メトロスマイルフェスタ’09 in AYASE 綾瀬車両基地見学会、12月5日(土)に開催! - 東京メトロ|ニュースリリース
環境配慮型の新型車両16000系 千代田線に導入決定!! - 東京メトロ|ニュースリリース
常磐緩行線(東京メトロ千代田線直通)に新型電車を導入 - JR東日本プレスリリース
来月5日に常磐線「207系」のさよなら運転 - MSN産経ニュース
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