中央線グリーン車連結に向けた12両化工事2020(2)三鷹~八王子

武蔵境駅のホーム延伸工事

2023年度のサービス開始を目標に行われている中央線グリーン車連結のためのホーム延伸工事のレポートの続きです。2回目の今回は三鷹駅から八王子駅までの各駅です。

中央線の路線概況

グリーン車連結に伴う12両化と基本的な方針

各駅の工事状況 (1)東京~吉祥寺間

前回の記事を参照

各駅の工事状況 (2)三鷹~八王子間

三鷹~八王子間のホーム延長箇所一覧
三鷹~八王子間のホーム延長箇所一覧 ※クリックで拡大

 中央線の快速と各駅停車が分離された複々線は三鷹駅で終了となり、これより先は貨物列車から特急までがすべて同じ線路を共有する複線となります。複線区間でも途中駅を通過する特別快速(中央特快・青梅特快・通勤特快)が運行されていることから、待避線が設けられている駅が多くなっており、三鷹・国分寺・立川では終日に渡り各駅停車・快速を追い抜く運行方法がとられています。また、武蔵小金井駅・豊田駅には車両基地が併設されており、この駅始発・終着の電車が多数存在します。
 なお、三鷹駅の先から国分寺駅手前までと国立駅手前から立川駅手前までの区間は、2000年代後半に東京都の連続立体交差事業で高架化されています。高架化着手時点では中央線のグリーン車連結計画はまだ存在しなかったため、各駅とも将来の12両化を想定した構造にはなっておらず、延長後はホームの位置が揃わなかったり、線路を大規模に移設する個所もあります。(中央線高架化工事については弊サイトの過去の記事をご覧ください。)
 今回は昨年9月と今年10・11月に調査した各駅の工事の状況についてお伝えします。

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三鷹駅
三鷹駅の先には各駅停車の車両基地である三鷹車両センターがある。 三鷹駅のホーム端から東京方面を見る。シーサス2基を移設し、ホーム延長に必要なスペースを作り出す。
左(1):三鷹駅の先には各駅停車の車両基地である三鷹車両センターがある。
右(2):三鷹駅のホーム端から東京方面を見る。シーサス2基を移設し、ホーム延長に必要なスペースを作り出す。2020年10月3日撮影


 三鷹駅は島式ホームが3面あり、そのうち3~6番線の4線を快速線が使用しています。複々線区間の終端であるため、当駅の高尾寄りには各駅停車の電車の車両基地である三鷹車両センターが併設されています。今年3月のダイヤ改正までは、早朝・深夜に千葉方面から当駅を越えて武蔵小金井・立川まで乗り入れる各駅停車(黄色)や、東京発着の各駅停車(オレンジ色)が運行されていました。(詳細は今年3月に作成した千駄ヶ谷駅のホームドア設置工事の記事を参照
 三鷹駅はかつて11両編成の特急が停車していたことから、本線である4番線と6番線はホームが11両の停車に対応しています。また、併設する三鷹車両センターには稀に12両編成の特急車両が収容されることがあるため、線路自体は3~6番線全てが12両編成の停車に対応しています。しかし、ホームを12両対応に延長するには線路間のスペースや信号機までの余裕長が不足していることから、構内配線を一部変更してスペースを作り出す必要が生じました。立川寄りにホームを延長する場合、線形変更が必要な範囲が三鷹車両センター構内まで及び、工事量が膨大なものになってしまいます。一方、東京寄りにも上下線間に引上線が1本ありますが、こちらの方が工事量が格段に少なくて済むことから、ホームに近い両渡り線(シーサスクロッシング)2基を移設してホーム延長に必要なスペースを作り出すこととしました。
 現在のところまだ工事は着手していませんが、専門誌の記事によるとポイントの移設時は夕方~朝にかけて快速線を運休したうえで作業時間を確保する計画となっています。

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武蔵境駅
武蔵境駅の東京寄りのホーム延長予定地。高架橋の床にボルトが打ち込まれ、バラストの一部を土嚢に置き換えて基礎を埋め込んでいる。 高架下では新ホームを支える鉄柱を組み立て中。
左(1):武蔵境駅の東京寄りのホーム延長予定地。高架橋の床にボルトが打ち込まれ、バラストの一部を土嚢に置き換えて基礎を埋め込んでいる。2019年9月15日撮影
右(2):高架下では新ホームを支える鉄柱を組み立て中。2020年10月3日撮影


 武蔵境駅は中央線の対向式ホーム2面2線に加えて、南側に西武多摩川線のホームがあります。西武多摩川線は他の西武鉄道の路線から孤立しているため、車両の定期メンテナンスの際は当駅から中央線・武蔵野線(新秋津駅)を経由し、西武池袋線との間で車両の受け渡し(甲種輸送)を行っています。
 西武多摩川線との連絡線があるため、当駅は上下線でホームを延長する場所が異なっており、上り線(1番線)は東京寄りに0.5両分と高尾寄りに1.5両分、下り線(2番線)は東京寄りに2両分となっています。前述の通りホーム部分の高架橋は将来の延長を考慮した設計にはなっておらず、追加するホームは高架下から独立した鉄柱を立てて支えることにしています。

武蔵境駅東京寄りで完成しつつある新ホーム。 武蔵境駅東京寄りで完成しつつある新ホーム。
武蔵境駅東京寄りで完成しつつある新ホーム。2020年10月3日撮影

 昨年は高架下での鉄柱組み立てや高架橋上でバラストの一部を撤去してホームの基礎を埋め込む工事が行われました。今年に入ってからは新ホームの構築が進んでおり、東京寄りではホームの屋根まで完成しつつあります。

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東小金井駅
東小金井駅高尾寄りで建設中の新ホーム。左に見える下り線でも同様の工事が行われている。
ホーム延伸予定地に重なるポイントは急角度の物に交換される。
下り線東京寄りでもわずかだがホームを延長する。
左:東小金井駅高尾寄りで建設中の新ホーム。左に見える下り線でも同様の工事が行われている。手前の黄色いカバーが架けられた物体は電化柱の撤去跡。(同じ場所の2019年9月15日の様子
中:ホーム延伸予定地に重なるポイントは急角度の物に交換される。
右:下り線東京寄りでもわずかだがホームを延長する。2020年10月3日撮影
上:東小金井駅高尾寄りで建設中の新ホーム。左に見える下り線でも同様の工事が行われている。(同じ場所の2019年9月15日の様子
中:ホーム延伸予定地に重なるポイントは急角度の物に交換される。
下:下り線東京寄りでもわずかだがホームを延長する。2020年10月3日撮影

 東小金井駅は上り線が島式ホーム、下り線が片面ホームの2面3線となっています。真ん中の線路は上下共通の中線となっており、朝ラッシュ時に上りの交互発着に使用しています。
 当駅も上下線でホームを延長する向きが異なり、上り線(1・2番線)は高尾寄りに2両分、下り線は東京寄りに0.5両分と高尾寄りに1.5両分となっています。ここもやはり将来の12両化は考慮しておらず、中線から下り線へ出発する渡り線がホーム延長予定地に重なっていました。そこで苦肉の策として該当する渡り線の一部を分岐角度が急なポイント(16番→10番)に交換し、スペースを捻出することにしました。ポイント交換により制限速度が現在の60km/hから35km/hへ大幅に低下してしまいますが、中線を使用する下り列車は極めて少ないことから問題はないものとみられます。
 今年に入ってから東小金井駅では新ホームの建設が本格化しています。これに伴い、下り線の中線使用は停止されており、高尾寄りではポイントを交換するため渡り線が一部撤去されています。また、渡り線の上に張られている架線を引き留めていた柱がホームの予定地内に位置してしまうため、予定地の外に移設されています。

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武蔵小金井駅・豊田車両センター武蔵小金井派出
武蔵小金井駅下り線のホーム端。出発信号機を移設中。 上り線では車両基地へ引き上げる入換信号機を移設中(黄色矢印)。また、ホーム延長予定地にある電化柱も移設中(青色矢印)。
左(1):武蔵小金井駅下り線のホーム端。出発信号機を移設中。
右(2):上り線では車両基地へ引き上げる入換信号機を移設中(黄色矢印)。また、ホーム延長予定地にある電化柱も移設中(青色矢印)。2020年10月3日撮影


 武蔵小金井駅は島式ホーム2面4線で外側2線が本線となっています。当駅の高尾寄りの地上には豊田車両センター武蔵小金井派出(車両基地)があり、朝夕を中心に当駅始発・終着列車が設定されています。
 当駅は車両基地への分岐があることからホームの高尾寄りのスペースにやや余裕があるため、信号機類を移設してホームを2両分延長します。信号機類の移設工事は今年に入ってから進められており、車両基地へ向かうポイントの直前に新しい入換信号機が立っています。また、ポイントの上に張られている架線を支える柱の一部がホーム延長予定地にあったことから、予定地の外に新しい柱が立てられています。

豊田車両センター武蔵小金井派出。トイレ付き車両の連結に備え、給排水設備の新設工事が行われた。 留置線の終端を見る。左下の擁壁は留置線延長に備えて改築された。
左(1):豊田車両センター武蔵小金井派出。トイレ付き車両の連結に備え、給排水設備の新設工事が行われた。
右(2):留置線の終端を見る。左下の擁壁は留置線延長に備えて改築された。2019年9月15日撮影


 武蔵小金井駅高尾寄りにある豊田車両センター武蔵小金井派出は、その名の通り豊田駅に隣接して設けられている豊田車両センターの下部組織です。ここは元々武蔵小金井電車区という独立した車両基地となっており、その名残で現在も洗車や故障発生時の応急処置といった日々のメンテナンス作業が行われています。グリーン車連結にあたっては、一部留置線の延長または短縮、車体洗浄機の移設※1、屋上点検台の延長、トイレ付き車両連結に対応するための給排水設備の新設といった改修が行われます。
 別の記事で説明する通り、普通車に増設されるトイレは今年3月から先行して使用開始となるため、昨年は給排水設備の新設が行われました。今後は留置線の延長・短縮などの工事が行われます。

▼脚注
※1:現在の車体洗浄機は本線が地上にあった頃から位置が変わっておらず、車両基地本体からは孤立した場所にある。洗浄機のある線路の終端には既に道路や駐輪場が建設されており、12両対応に延長するのが困難となっている。




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国分寺駅
国分寺駅は外側2線が待避線となっており、終日特快と快速・各駅停車の接続が行われる。 停止位置を信号機に近づけるためATS地上子を移設中。
左(1):国分寺駅は外側2線が待避線となっており、終日特快と快速・各駅停車の接続が行われる。
右(2):停止位置を信号機に近づけるためATS地上子を移設中。2019年9月15日撮影


 国分寺駅は、島式ホーム2面4線となっており、終日特快の追い抜きが実施されています。また、東京寄りには折り返し用のポイントがあり、ごく少数ながら当駅始発・終着も設定されています。
 当駅は後から待避線を増設した関係で、両方向ともホーム端にあまりスペースがないため、両方向に1両分ずつホームを延長します。昨年は停止位置を出発信号機に近づけられるようATS地上子の移設が行われました。ホーム本体の工事が現在のところまだ着手していません。

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西国分寺駅
西国分寺駅高尾寄りで昨年行われた信号機の移設。 ホーム基礎の構築が進む。
左(1):西国分寺駅高尾寄りで昨年行われた信号機の移設。2019年9月15日撮影
右(2):ホーム基礎の構築が進む。2020年10月3日撮影


 西国分寺駅は対向式ホーム2面2線となっています。ホームは掘割の中にあり、将来計画されている立川までの複々線化に備えてホームの両端・外側ともにかなりの土地が確保されています。ホーム外側の線路敷設予定地の一部は店舗スペースとして利用されています。
 当駅ではこの複々線化用地を活用して高尾寄りに2両分ホームを延長します。昨年はホーム延長予定地にあった閉塞信号機が移設され、今年に入ってからはホーム基礎の構築が進められています。

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国立駅
国立駅1番線東京寄りで完成間近の新ホーム。 高尾寄りでも屋根の構築が進む。
左(1):国立駅1番線東京寄りで完成間近の新ホーム。
右(2):高尾寄りでも屋根の構築が進む。2020年10月3日撮影


 国立駅は東小金井駅と同じ2面3線のホームになっています。当駅の東側では、上下線の間から武蔵野線新小平駅へ通じる連絡線(国立支線)が分岐しています。中線と国立支線は直結されており、立川方面から国立支線に入る列車(むさしの号など)は必ず中線を通過※2します。
 国立支線は長編成の貨物列車なども走行することから、高架化後の国立駅は高尾寄りのホーム端から中線の合流まで余裕を持ったレイアウトとなっていました。このため、上り線(2・3番線)は高尾寄りにある空間を利用して2両分ホームを延長します。一方下り線(1番線)は、将来のホーム延長を考慮した構造になっていないため、武蔵境駅などと同じ方法で両方向に1両分ずつホームを延長します。国立駅では昨年秋から新ホームの建設が開始されており(時間不足により未撮影)、現在はいずれの箇所も屋根の構築まで進んでいます。

▼脚注
※2:高架化着工前の計画では、国立支線は高架化前と同じく駅とは独立したY字型の分岐とする計画だった。工事途上で貨物列車を含む全車両のATS-P搭載が決定し、安全側線が不要となたっため現在のような中線と直結する配線に変更された。


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立川駅
青梅線ホーム青梅寄りで行われている新ホームの基礎工事。 中央線4・5番線は現状でも11.5両分ほどの長さがあり、高尾寄りでわずかながらホームが延伸されている。
左(1):青梅線ホーム青梅寄りで行われている新ホームの基礎工事。
右(2):中央線4・5番線は現状でも11.5両分ほどの長さがあり、高尾寄りでわずかながらホームが延伸されている。2020年10月3日撮影


 立川駅は青梅線・南武線が乗り入れるため、島式ホーム4面8線に加え貨物列車の待避線があるなど規模が大きくなっています。このうち北側の1・2番線を青梅線、3~6番線を中央線がそれぞれ使用しています。中央線ホームは特急が停車するため、本線の3・6番線が12両、待避線の4・5番線は11両まで対応済みとなっています。 グリーン車連結は青梅線も対象であるため、1・2・4・5番線の4線でホームを延長します。青梅線用の1・2番線は駅ビルが近接していることからスペースが限られており、1番線は青梅寄り、2番線は両方向でホームを延長します。4・5番線はポイントや橋上駅舎の柱の位置などを勘案して高尾寄りにホームを延長します。今年に入ってからホーム本体の工事が本格化しており、青梅線ホームの青梅寄りでは新ホームの基礎が、中央線ホームの高尾寄りではホーム床の構築が進んでいます。

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日野駅
日野駅の高尾寄りには上下線間にホームのない待避線がある。 日野駅東京寄りで建設中の新ホーム。
左(1):日野駅の高尾寄りには上下線間にホームのない待避線がある。
右(2):日野駅東京寄りで建設中の新ホーム。2020年11月15日撮影


 日野駅は島式ホーム1面2線ですが、高尾寄りには回送列車や貨物列車などが待避するためのホームが無い中線がある特殊なレイアウトになっています。このため、東京寄りで2両分ホームを延長します。今年に入ってからホーム本体の工事が進んでおり、床面まで完成した状態となっています。元々線路間にあまりスペースが無かったため、新ホームの先端は幅が2mほどしかありません。

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豊田駅・豊田車両センター
ホームが延長される豊田駅東京寄り 下り本線と3番線をつなぐシーサスは一部が撤去され、ホームから離れた位置に新しい片渡り線を敷設中。
左(1):ホームが延長される豊田駅東京寄り
右(2):下り本線と3番線をつなぐシーサスは一部が撤去され、ホームから離れた位置に新しい片渡り線を敷設中。2020年11月15日撮影


 豊田駅は島式ホーム2面4線で、各ホーム北側の2・4番線が本線となっています。高尾寄りには中央線最大の車両基地である豊田車両センターが併設されていることから、終日当駅始発・終着が設定されています。車両基地への入出庫線は通過本数が多いため複線となっており、下り本線との交差部分にはトンネルを設けることで交差による発車待ち等が発生しないよう配慮されています。また、駅の東京寄りの上下線間にも引上線が設けられていますが、こちらは途中に踏切があり入線すると長時間に渡り道路の交通を遮断してしまうことから、ほとんど使用されていません。
 豊田駅は車両基地構内の配線変更を回避するため東京寄りに2両分ホームを延長します。ホーム延長予定地には下り本線と3番線・引上線をつなぐ両渡り線が設置されていたため、予定地の外へ移設する工事が行われています。このうち、引上線から下り本線(2番線)に出るルートは前述の通りほとんど使用しないことから、移設に合わせて廃止し片渡り線に簡略化します。

豊田駅近くにある歩道橋から見た豊田車両センター
北側の住宅地内から豊田車両センターを見る
留置線の車止めは一部がコンクリートに置き換えられた
左:豊田駅近くにある歩道橋から見た豊田車両センター
右上:北側の住宅地内から豊田車両センターを見る
右下:留置線の車止めは一部がコンクリートに置き換えられた。2020年11月15日撮影
上:豊田駅近くにある歩道橋から見た豊田車両センター
中:北側の住宅地内から豊田車両センターを見る
下:留置線の車止めは一部がコンクリートに置き換えられた。2020年11月15日撮影

 豊田車両センターの留置線は一部が12両編成が直列に停車できるだけの長さがありますが、検修庫や入換信号機などの諸設備は全て10両での使用を前提にしたものとなっており改修が必要となっています。武蔵小金井とは異なり、参照した資料にはどのような改修がされるのか言及がないうえ、本線が車両基地に完全に並行していないことから、現地を見て確認するのも困難です。外周道路から見える範囲では本線に近い留置線で車止めがレールを加工したもの(第二種車止め)からコンクリートの塊(制走堤)に置き換えられているのがわかります。なお、豊田車両センターでは毎年秋に施設の一般公開イベントが開催されていましたが、12両化工事開始後は取りやめとなっています。

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八王子駅
八王子駅の中央線上りホームは八高線と共用。八高線が停車しない場所は柵が設置されている。 資料によると八高線ホームの高尾寄りにホームが延長されるように書かれているが果たして…
左(1):八王子駅の中央線上りホームは八高線と共用。八高線が停車しない場所は柵が設置されている。
右(2):資料によると八高線ホームの高尾寄りにホームが延長されるように書かれているが果たして…2020年11月15日撮影


 八王子駅は八高線と横浜線が乗り入れており、島式ホーム3面6線となっています。中央線は北側の2~4番線の3本を使用しており、特急が停車することからいずれも12両に対応済みとなっています。八高線は中央線上りホーム対面の1番線を使用しています。八高線は4両編成と短いため、電車が停車しない範囲は転落防止のための柵が設置されています。
 かつての八王子駅は平坦線用と高尾から先の山岳線用の機関車を付け替える一大拠点となっていました。平成に入りEH200形のような両区間を1台で兼用できる高性能機関車が普及したことから、駅構内にあった八王子総合鉄道部は2008(平成20)年をもって廃止となり、機関庫や転車台は取り壊されています。ただし、当駅東側には東京西部の石油輸送基地である日本オイルターミナル八王子営業所があるため、引き続き貨物列車用の側線は多数残されています。
 八王子駅は上記の通り中央線のホームは3線とも12両対応のため、ホーム延長の必要はないはずです。ところが、今回参照した資料に掲載されている図では、八高線用である1番線の高尾寄りでホームを延長するように描かれていました。現地を確認したところ、予定地には八高線の留置線へ向かうポイントが多数あり、ここへ単にホームを延長しただけでは1番線に中央線の電車を入線させることはできないと思われます。現在の2番線の高尾寄りは特急停車のためホームを最小限の幅で延長しており、非常に狭くなっています。資料に描かれていたホームの延長は混雑緩和のための拡幅を意味している可能性もあります。

 次回は青梅線西立川駅から青梅駅までの状況をお伝えします。

▼参考
中央快速線等へのグリーン車サービスの導入について - JR東日本ニュースリリース(PDF/149KB)
中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について - JR東日本ニュースリリース(PDF/298KB)
中央快速線グリーン車導入~東京西部エリアの更なる鉄道サービスの向上に向けて~ - 日本鉄道施設協会誌2019年1月号64~67ページ
中央快速線グリーン車導入に伴う地上設備改修工事 - 土木施工2019年11月号93~96ページ

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