国営ひたち海浜公園のコキア
公開日:2023年10月20日17:59

記事にできないまま1年が経過してしまいましたが、昨年10月に日本の鉄道開業150周年を記念してJR東日本から発売された「鉄道開業150周年記念JR東日本パス」を使って東北・北関東方面を訪れてきました。今回はその中から現在見頃を迎えている茨城県にある国営ひたち海浜公園のコキアの紅葉をご紹介します。
国営ひたち海浜公園の概要
国営ひたち海浜公園は茨城県のほぼ中央、水戸駅からおよそ10kmの太平洋に面した場所にあります。この場所は旧帝国陸軍の水戸飛行場があった場所で、戦後はアメリカ軍の接収を経て1991(平成3)年に国営公園として開園しました。軍事施設の跡地を利用している点は東京都立川市にある国営昭和記念公園との共通点です。
開園後も整備が継続されており、現在は約215ha、バーベキュー場やスポーツ施設など利用目的が異なるエリアが全部で7つ存在します。非常に広い公園であるため、園内を周回できるサイクリングロードとレンタサイクルが用意されているほか、シーサイドトレイン(タイヤで走行する列車)が定期的に園内を巡回しています。この広大な土地を利用して2000(平成12)年からは毎年夏にロックミュージックの祭典である“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”が開催されてきました。(コロナ禍による開催中止を経て2022年以降は千葉県千葉市の蘇我スポーツ公園で開催)
公園入口はJR常磐線勝田駅から直線道路で接続されていることや、北関東自動車道末端の常陸那珂有料道路のICと直結していることからアクセス性も良好です。また、公園南口から1.5kmほどのところで終点となっているひたちなか海浜鉄道(旧茨城交通湊線)を公園まで延伸する構想もあります。
名物「コキアの紅葉」

みはらしの丘遠景
この国営ひたち海浜公園の名物となっているのが、園内中央にある「みはらしの丘」です。ここは20mほどの高さで土が盛られた丘になっており、毎年春にはネモフィラ、夏~秋にはコキアが全面に植えられます。
コキアは別名ホウキグサとも呼ばれており、その名の通り根元から茎が球体型に何本も枝分かれして箒のような形状に成長します。秋になり気温が下がり始めると徐々に赤く色づいていきます。その「紅葉」のピークは毎年10月中旬から下旬で、最も濃く色づいた時期は丘全体がピンク~赤に染まります。この光景が記念はInstagramなどのSNSでも話題となり、海外からも多くの観光客が訪れるようになりました。

茨城交通バスの勝田駅~海浜公園1日フリーきっぷ
国営ひたち公園ですが、実はYahoo!ブログ時代の2007年に一度訪問済みでした。その際は勝田駅から茨城交通湊線(当時)の乗り潰しを兼ねて阿字ヶ浦駅経由で行き、園内をレンタサイクルで回りました。
今回は前日・前々日に東北方面に行っていたことや、翌日に合唱団の演奏会を控えていたことから、体力の余力的な都合も考慮して勝田駅から往復バス利用です。勝田駅では公園の入園券と路線バスのフリー乗車券がセットになったチケットが販売されており、こちらの方が数百円安くなりますのでそちらを利用しましょう。ジョルダンの乗換案内アプリ「ジョルダンアプリ」上でも購入できますので、勝田駅までの移動中の電車内からでも購入手続きが可能です。(2024年1月9日まで限定でひたちなか市からの補助により上記の写真の価格より大幅割引されています。)


左:みはらしの丘頂上から見たコキアの紅葉
右:登山道から見たコキア
右:登山道から見たコキア
上:みはらしの丘頂上から見たコキアの紅葉
下:登山道から見たコキア
下:登山道から見たコキア
コキアが植えられているみはらしの丘は勝田駅発のバスが発着する公園西口翼のゲートから800mほど入ったところにあります。訪問した10月21日はちょうど見頃を迎えており、ほぼ全面赤色という色づき具合でした。もう数日経つとこれが赤色から茶色に変化していきます。
みはらしの丘は周回するだけでも1kmほどの距離があります。丘の中はジグザグ状の「登山道」が完備されており、コキアを間近に観察しながら登り下りすることもできます。途中階段はありませんがある程度の傾斜にはなっているため、車椅子・ベビーカー等を利用される場合はご注意ください。

みらはしの丘の裏は樹林エリア。その向こうに見えるのは小松製作所の工場とJERA常陸那珂火力発電所
丘の裏側はひたち海浜公園の樹林エリアと工場地帯です。樹林エリアは自然の森林を残した状態となっており、動植物保護のためほとんどが立入禁止となっています。


左:みはらしの丘の麓に植えられているコスモス
右:ソバの花と古民家
右:ソバの花と古民家
上:みはらしの丘の麓に植えられているコスモス
下:ソバの花と古民家
下:ソバの花と古民家
みはらしの丘の麓にはコスモスやソバの花が植えられています。ここに植えられているのは茨城県の奨励品種である「常陸秋そば」と呼ばれる品種です。その奥には茨城県内にあった古民家が移築保存されています。
▼参考
国営ひたち海浜公園 – 海と空と緑がともだち。ひたち海浜公園は、茨城県ひたちなか市にある国営公園です。(公式サイト)
勝田駅~海浜公園1日フリーきっぷを発売しております – ニュースリリース - 茨城交通サイト
首都圏各方面から直通特急


左:京葉線稲毛海岸駅に停車するE653系海浜公園コキア蘇我号。2023年は運転区間が内房線君津まで延長される代わりに稲毛海岸は通過となっている。
右:海浜公園コキア蘇我号は西船橋を出ると水戸までノンストップ
右:海浜公園コキア蘇我号は西船橋を出ると水戸までノンストップ
上:京葉線稲毛海岸駅に停車するE653系海浜公園コキア蘇我号。2023年は運転区間が内房線君津まで延長される代わりに稲毛海岸は通過となっている。
下:海浜公園コキア蘇我号は西船橋を出ると水戸までノンストップ
下:海浜公園コキア蘇我号は西船橋を出ると水戸までノンストップ
鉄道メインのブログですので最後に関係する鉄道ネタです。昨年よりこのコキアの見頃に合わせて首都圏各方面から勝田駅まで直通する臨時特急「海浜公園コキア号」が運転されるようになりました。2022年は週ごとに大船・八王子・大宮・蘇我の4方向から運転され、このうち東海道線大船発の「海浜公園コキア大船号」は川崎を出ると上野東京ライン経由で水戸までノンストップ、つまり東京駅を通過するという前代未聞の運転パターンになりました。また、京葉線発の「海浜公園コキア蘇我号」は武蔵野線南流山~常磐線北小金間の貨物列車用短絡線を経由するため、途中でスイッチバックするというこちらも希少な走行ルートとなっています。
翌2023年春のネモフィラの開花シーズンにも同様の特急が運転されました。そして今シーズンはさらに運転区間を平塚・高尾・君津へ拡大して再び同様の特急列車が運転されています。昨年はスケジュールの都合で乗車が叶いませんでしたが、今年は指定券も確保しております。可能でしたら乗車レポートもアップしますのでご期待ください。
▼参考
秋の臨時列車のお知らせ - JR東日本(水戸支社)ニュースリース(PDF/836KB)
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