カテゴリ:鉄道:建設・工事
東武野田線高架化工事(2020年10月2日取材)
公開日:2020年11月07日18:02

東武野田線(東武アーバンパークライン)清水公園~梅郷間では現在高架化工事が行われています。2014年の記事から6年が経過し、ようやく現地では高架橋が完成に近づきつつあります。今回は諸事情により掲載できていなかった2016年・2017年の調査時の内容も加えながら、現地の状況をお伝えします。
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東武野田線高架化工事(2014年11月29日取材)(2015年1月18日作成)
東武野田線の近年の動向


左(1):柏駅は頭端式ホームとなっており、船橋方面・大宮方面が同一平面上で乗り換えできる。2007年6月3日撮影
右(2):2013年6月より導入が進められている60000系。
東武野田線は埼玉県さいたま市の大宮駅を起点とし、春日部、野田、流山、柏、鎌ヶ谷の各市を経由して千葉県船橋市の船橋駅に至る全長62.7kmの民鉄線です。2014(平成26)年4月1日より、イメージアップを目的に「東武アーバンパークライン」の愛称名が導入されています。首都圏外延部のベッドタウンを半環状に結ぶ路線であることから、朝夕の通勤需要は大きく、1日の乗降人員はほとんどの駅で1万人を超えています。運行系統は柏駅がスイッチバック形の配線となっていることから、急行(後述)および一部の入出庫列車を除き「大宮~柏間」と「柏~船橋間」で完全に分断されています。
東武野田線は、その路線特性から乗車距離が短い傾向にあり、単線区間が多く残るなど旧態依然とした地上設備となっていました。このため、列車種別も全列車各駅停車、車両についても他路線で使い古されたものが回されるなど、長らく冷遇された状況が続いてきました。
左:船橋駅に掲出された急行運転開始のお知らせポスター
右上:急行の追い抜きに備え2面4線化された高柳駅。2019年12月1日撮影
右下:参考までに単線時代の高柳駅。柏寄りのホームは一部が仮設構造だった。2016年6月24日撮影
右上:急行の追い抜きに備え2面4線化された高柳駅。2019年12月1日撮影
右下:参考までに単線時代の高柳駅。柏寄りのホームは一部が仮設構造だった。2016年6月24日撮影
上:船橋駅に掲出された急行運転開始のお知らせポスター
中:急行の追い抜きに備え2面4線化された高柳駅。2019年12月1日撮影
下:参考までに単線時代の高柳駅。柏寄りのホームは一部が仮設構造だった。2016年6月24日撮影
中:急行の追い抜きに備え2面4線化された高柳駅。2019年12月1日撮影
下:参考までに単線時代の高柳駅。柏寄りのホームは一部が仮設構造だった。2016年6月24日撮影
転機が訪れたのは2013(平成25)年で、野田線としては史上初となる直接投入の新車60000系が登場しました。続いて2016(平成28)年3月には、大宮~春日部間を皮切りに急行の運行が、さらに2017(平成29)年4月には平日夜間に東武スカイツリーライン(伊勢崎線)浅草駅および野田線大宮駅から野田線内へ向かう有料座席指定特急「アーバンパークライナー」の運行がそれぞれ開始されました。
一方、千葉県側で単線となっていた逆井~六実間では、2016年春より複線化工事が開始されました。複線化区間の途中にある高柳駅は追い抜きができるよう2面4線に拡張され、工事が完成した今年3月のダイヤ改正より大宮~柏間の全線で急行運転が開始されました。これにより、柏~船橋間の所要時間は従来より10分短縮という驚異的なスピードアップが実現しています。さらに、柏駅・船橋駅ではホームドアが設置されるなど、近年の東武野田線はソフト・ハードともに目覚ましい発展を遂げつつあります。
資金不足により停滞する野田市内の高架化

東武野田線高架化区間の位置
※本図は国土地理院Webサイト「地理院地図Vector(試験公開)」で公開されている「淡色地図」「空中写真」合成レイヤーに加筆したものである。
東武鉄道によるこれらの改良に加えて、2007(平成19)年以降は千葉県が事業主体となり清水公園~梅郷間で連続立体交差事業(高架化)が進められています。この事業は野田線の清水公園駅南側から野田市~梅郷間にある都市計画道路中根山崎線(平成やよい通り・陸橋)までの約2.9kmを高架化するもので、主要地方道つくば野田線(愛宕駅付近)や主要地方道野田牛久線(野田市駅付近)をはじめとする11か所の踏切が解消されます。また、高架化区間内にある愛宕駅・野田市駅では構内にエレベーターが新設され、バリアフリー化が実現します。
この野田市内の高架化は当初2017(平成29)年度の完成が予定されており、それに備えて愛宕駅周辺では仮線用地確保を兼ねた区画整理事業を完了させていました。しかし、肝心の高架橋本体の建設やそれに必要となる仮線敷設が遅々として進まず、完成が2023(令和5)年度へ6年も延期されることとなりました。このように工事が予定通り進まなかったのは事業資金の大幅な不足が理由です。
野田市内の高架化事業の総事業費は、2007年から10年間で約353億円が予定されており、千葉県や国に対してもそれに見合う予算要求を行ってきました。しかし、2015年までの8年間で実際に執行された金額はそれを大幅に下回る45億円、年平均でわずか5億円に留まり、工事が計画通り進まない事態となりました。野田市は2003(平成15)年に関宿町と合併しており、高架化の事業費のうち野田市の負担分に関しては合併特例債※の制度を使って資金を調達することを計画しています。合併特例債の利用期間は市町村合併後20年(2023年まで)と定められていることから、このまま資金不足が続くと特例債の期限内に工事が完成しないことが危惧されました。
そのような事態を回避するべく、野田市では2016年以降高架化に関する予算増額を求める要望書を毎年県や国に提出するなど、事業資金確保に向けた活動を強力に続けています。これを受け、国でも2017年から東武野田線の高架化に関する交付金を増額しており、昨年度は過去最高となる約67億円の事業費が計上されました。
▼脚注
※合併特例債:市町村の合併後に必要となる公共施設の整備などに使える債務。対象となる事業費の95%までをこの債務で賄うことができ、債務のうち7割を地方交付税の形で国が肩代わりして償還する。市町村合併促進に向けた実質的な補助金制度。当初は合併後15年間を期限としていたが、東日本大震災をはじめとする大規模災害の影響を考慮し、20年間に延長された。
ようやく高架橋が完成
大幅な予算増額の効果により、2018年以降は高架化区間の各所とも急速に工事が進展しています。今回は先月2日に調査した現地の状況に加えて、掲載できていなかった2016年10月10日、2017年6月24日の状況も一部加えながら工事の進展の様子を見てまいります。(写真は記載のない限り2020年10月2日撮影)
●清水公園駅


使用停止中の清水公園駅1番線。ホーム両端とも本線との接続は切られている。
高架化区間は清水公園駅構内の柏寄りから始まります。高架橋本体の建設準備のため、2015年5月24日より1番線が使用停止となり、2番線が大宮方面、3番線が柏方面行きとして使用されるようになりました。1番線ホームは本線との接続が切られている以外は手つかずとなっており、高架化完成後は一部設備を改修したうえで再使用されるものとみられます。
左:ホーム端から柏方面の高架橋アプローチ区間を見る。坂の途中で単線に合流しているのがわかる。
右上:坂の途中にあった踏切は長期閉鎖中。
右下:閉鎖前の踏切から清水公園駅を見たところ。2016年6月24日撮影
右上:坂の途中にあった踏切は長期閉鎖中。
右下:閉鎖前の踏切から清水公園駅を見たところ。2016年6月24日撮影
上:ホーム端から柏方面の高架橋アプローチ区間を見る。坂の途中で単線に合流しているのがわかる。
中:坂の途中にあった踏切は長期閉鎖中。
下:閉鎖前の踏切から清水公園駅を見たところ。2016年6月24日撮影
中:坂の途中にあった踏切は長期閉鎖中。
下:閉鎖前の踏切から清水公園駅を見たところ。2016年6月24日撮影
高架橋の始点とホームの距離が近いため、3線となっている清水公園駅から単線に収束する部分は一部高架橋へ上がる勾配に食い込んでいます。一見すると複線で高架橋に上がっていくように思えますが、よく見ると途中にポイントが設置されており単線に合流しているのが確認できます。なお、高架橋本体の工事本格化に伴い、勾配区間の途中になってしまう野田線155号踏切は2019年4月より長期閉鎖という扱いになっています。
●清水公園駅~愛宕駅


駅間・地上アプローチ区間の高架化前後の断面図
清水公園~愛宕間では、現在線の隣に直接単線幅の高架橋を建設します。この付近は線路西側が斜面になっており、そこを切り崩して垂直に近い形に整形することで高架橋の建設スペースを確保しました。


左(1):高架橋の基礎工事が終わった頃の清水公園~愛宕間の状況。この後予算不足のため2年ほど工事が止まっていた。2016年10月10日撮影
右(2):現在の同じ場所の状況。完成した高架橋は将来の複線化を考慮し、手前に梁を延長可能になっている。
清水公園~愛宕間は家屋の移転や取り壊しがほとんどなかったため、比較的早い時期から高架橋本体の工事が開始されていました。前述の予算不足により、2016年~2018年頃は工事が止まっていましたが、現在は工事が再開されており高架橋本体がほぼ完成し、軌道敷設が行われています。
なお、高架化(連続立体交差事業)と複線化では事業費調達のシステムが異なることから、今回の工事では単線のまま高架化となり複線化は同時には行われません。ただし、完成した高架橋を見ると将来複線化された際増設線となる側(現在線側)には梁を延長できるよう突起が設けられており、複線化を全く考慮していないというわけではなさそうです。
●愛宕駅

愛宕駅の高架化前後の断面図。高架化後も対向式ホーム2面2線となる。
愛宕駅は現在線(地上)、高架化後ともに対向式ホーム2面2線のレイアウトになります。当駅の東側では高架化に合わせて駅前広場の整備を兼ねた土地区画整理事業を行っており、その一部を仮線用地として使用し、元の線路の場所に高架橋を建設します。
左:2015年5月1日より暫定供用となった愛宕駅東口駅前広場。2016年10月10日撮影
右上:駅前広場完成により仮線用地の確保はできたが予算不足により工事がストップしていた。2016年10月10日撮影
右下:仮線ホームの建設中。2017年6月24日撮影
右上:駅前広場完成により仮線用地の確保はできたが予算不足により工事がストップしていた。2016年10月10日撮影
右下:仮線ホームの建設中。2017年6月24日撮影
上:2015年5月1日より暫定供用となった愛宕駅東口駅前広場。2016年10月10日撮影
中:駅前広場完成により仮線用地の確保はできたが予算不足により工事がストップしていた。2016年10月10日撮影
下:仮線ホームの建設中。2017年6月24日撮影
中:駅前広場完成により仮線用地の確保はできたが予算不足により工事がストップしていた。2016年10月10日撮影
下:仮線ホームの建設中。2017年6月24日撮影
愛宕駅東口の土地区画整理事業は、当初予定されていた2017年度の高架化完成に支障が無いよう2015年度までに完了させていました。しかし、前述した予算不足により以降の工事が進まず、仮線への切替えが2018年まで大幅に遅れることとなりました。


左(1):仮線ホームと建設中の高架ホーム。右後ろに見える仮線ホームの跨線橋にはエレベーターが設置されていない。
右(2):柏寄りのホーム端にある仮駅舎。
2018年3月18日に使用開始となった仮線は切替前と同じ対向式ホーム2面2線となっており、ホーム間は仮設の跨線橋により連絡しています。仮駅舎・改札口は柏方面行きホームの先端にあります。仮線切替からしばらくの間は旧駅舎も併存していましたが、高架橋本体の工事本格化に伴い現在は撤去されています。予算が逼迫しているためか、他の連続立体交差事業とは異なり仮設の跨線橋にエレベーターが設置されておらず、車椅子等でホーム間を移動することが不可能となっています。仮駅舎入口にはスロープがありますが、改札内のバリアフリー化はされていないため利用の際は注意が必要です。
仮線切替後は高架橋本体の工事が順調に進んでおり、現在は軌道敷設やホームの構築が進められています。改札口はホーム中央付近の高架下に設けられる計画となっており、その付近に向かって階段になる斜路が設置されているのが確認できます。
●愛宕駅~野田市駅


左(1):野田市→愛宕の前面展望。この付近では元々西側に土地が確保されていた。2017年6月24日撮影
右(2):愛宕駅前から見た建設中の高架橋。
愛宕駅から野田市駅にかけては、将来の複線化を考慮したのか高架化工事着工よりかなり前から西側に土地が確保されていました。今回の高架化にあたっては、そこに直接単線幅の高架橋を建設し高架化します。高架橋の工事は2018年以降進められており、現在は駅間の全長に渡り高架橋が完成しています。
●野田市駅

野田市駅の高架化前後の断面図。高架化後は島式ホーム2面4線(+保守用側線1線)となる。
高架化工事着工前の野田市駅は片面ホーム1面+島式ホーム1面2線となっていました。また、かつては駅に隣接している醤油メーカーキッコーマンの工場の貨物輸送も行なっており、その名残で構内には多数の側線がありました。
高架化後は保守機材線1線を除き側線は廃止されますが、代わりにその用地を活用してホームが島式ホーム2面4線に増強されます。これにより将来は当駅で優等列車の追い抜きや折り返し運転が可能となります。




左上:仮駅舎建設のため右半分が取り壊された野田市駅駅舎。2016年10月10日撮影
右上:取り壊された跡地では仮設地下通路入口の掘削が行われている。2016年10月10日撮影
左下:2018年1月に仕様を開始した野田市駅仮駅舎。
右下:仮駅舎の先は既存の地下通路につながる。右の壁の色が違う部分が旧1番線ホームに通じていた階段跡。(同じ場所の2016年10月10日の様子)
右上:取り壊された跡地では仮設地下通路入口の掘削が行われている。2016年10月10日撮影
左下:2018年1月に仕様を開始した野田市駅仮駅舎。
右下:仮駅舎の先は既存の地下通路につながる。右の壁の色が違う部分が旧1番線ホームに通じていた階段跡。(同じ場所の2016年10月10日の様子)
1枚目:仮駅舎建設のため右半分が取り壊された野田市駅駅舎。2016年10月10日撮影
2枚目:取り壊された跡地では仮設地下通路入口の掘削が行われている。2016年10月10日撮影
3枚目:2018年1月に仕様を開始した野田市駅仮駅舎。
4枚目:仮駅舎の先は既存の地下通路につながる。右の壁の色が違う部分が旧1番線ホームに通じていた階段跡。(同じ場所の2016年10月10日の様子)
2枚目:取り壊された跡地では仮設地下通路入口の掘削が行われている。2016年10月10日撮影
3枚目:2018年1月に仕様を開始した野田市駅仮駅舎。
4枚目:仮駅舎の先は既存の地下通路につながる。右の壁の色が違う部分が旧1番線ホームに通じていた階段跡。(同じ場所の2016年10月10日の様子)
野田市駅では、2014年9月28日に駅舎に面していた1番線ホームが廃止されました。その後予算不足による工事の停止などを挟み、2018年1月には駅舎が仮設のものに変更されました。仮駅舎は旧駅舎の南に隣接して建設されており、改札口を入った先は既存の地下通路に接続されています。愛宕駅と同様予算が逼迫しているためかエレベーターなどのバリアフリー設備は一切追加されていません。
なお、旧駅舎前に植えられていたヒマラヤスギ(松)の大木(写真)については、区画整理事業用地内にあることから、他の場所への移植が検討されました。しかし、樹木医による診断の結果、樹齢50年以上の老木であり移植に耐えられず枯死する可能性が高いこと、根鉢を含めた総重量が25トンにもなり、そのサイズゆえに横に寝かせることもできないため、移植が非常に困難であるという結論が出されました。これを受け野田市では、種子(松ぼっくり)を採取し未来へ遺伝子を残すこと、展示用に輪切り加工してモニュメントとして保存することとし、今年3月に伐採が行われました。輪切りにされた加工品については高架化後の駅構内で展示することなどが考えられています。




左上:旧1番線ホーム跡地で建設中の高架橋。この時は工事が止まっていたため、鉄筋が腐食しないようカバーで覆われていた。2016年10月10日撮影
右上:高架橋の建設が進む今年10月の野田市駅構内。
左下:野田牛久線の踏切。この時は橋脚の建設途中で工事が止まっていた。2016年10月10日撮影
右下:同じ場所の今年10月の状況。完成した橋脚の上にコンクリート製の橋桁が架けられた。
右上:高架橋の建設が進む今年10月の野田市駅構内。
左下:野田牛久線の踏切。この時は橋脚の建設途中で工事が止まっていた。2016年10月10日撮影
右下:同じ場所の今年10月の状況。完成した橋脚の上にコンクリート製の橋桁が架けられた。
1枚目:旧1番線ホーム跡地で建設中の高架橋。この時は工事が止まっていたため、鉄筋が腐食しないようカバーで覆われていた。2016年10月10日撮影
2枚目:高架橋の建設が進む今年10月の野田市駅構内。
3枚目:野田牛久線の踏切。この時は橋脚の建設途中で工事が止まっていた。2016年10月10日撮影
4枚目:同じ場所の今年10月の状況。完成した橋脚の上にコンクリート製の橋桁が架けられた。
2枚目:高架橋の建設が進む今年10月の野田市駅構内。
3枚目:野田牛久線の踏切。この時は橋脚の建設途中で工事が止まっていた。2016年10月10日撮影
4枚目:同じ場所の今年10月の状況。完成した橋脚の上にコンクリート製の橋桁が架けられた。
1番線は2014年の廃止後早々に線路が撤去され、高架橋の本体工事が始まりましたが、前述の予算不足により2016年から2年ほど工事の停止を余儀なくされました。高架橋の柱のみが完成した状態で工事が停止されたため、停止期間中は飛び出している鉄筋が腐食しないようカバーで覆われていました。
予算確保による工事再開後は順調に高架橋の建設が順調に進んでおり、駅舎側半分の高架橋がほぼ完成し、ホーム屋根の骨組みの組み立てが進んでします。また、駅南側の県道野田牛久線の上にもコンクリート製の橋桁が架けられています。後述する今年度末の高架化切り替え時は駅舎側1面2線のみ使用を開始することになっており、残りの半分は地上の現ホームの撤去完了後に建設されます。

駅前広場から見た建設中の高架ホーム
●野田市駅~梅郷駅(平成やよい通り陸橋)


左(1):平成やよい通り陸橋付近から野田市駅方面の前面展望。橋脚基礎を施工した段階で工事が止まっていた。2016年10月10日撮影
右(2):同じ場所の今年10月の状況。高架橋へ上るスロープが完成しつつある。
野田市駅から高架化区間終点の平成やよい通りの陸橋にかけては、これまでとは逆の東側に用地が確保されていました。そのため、この区間では現在線を確保済みの土地に移設し、元の線路跡地に単線幅の高架橋を建設する仮線方式が採用されています。仮線への切替えは野田市駅1番線廃止と同日に完了しています。
この区間も2015年に高架橋本体の工事に着手したものの、予算不足により工事が2年ほどストップしていました。工事再開後は順調に高架橋の建設が進んでおり、野田市駅の高架橋へ続くスロープが完成しつつあります。
高架化は今年度末
今年8月25日に東武鉄道より発表された今年度の設備投資計画(PDF/1.0MB)によると、東武野田線清水公園~梅郷間は今年度末に高架化されることとされています。高架化完了により11箇所の踏切が廃止されるとともに、愛宕駅と野田市駅の完全バリアフリー化が実現します。
野田市駅の2面4線化を含めた完成は3年後の2023年度が予定されています。前述のように優等列車の追い抜きが可能になることから、運行ダイヤの変化も予想されます。さらに発展を続ける東武アーバンパークラインの動向に注目です。
▼参考
高架化工事他の現状|東武鉄道公式サイト
野田市の鉄道高架事業|野田市ホームページ
連続立体交差事業に関するお知らせ|野田市ホームページ
愛宕駅周辺地区の整備計画について|野田市ホームページ
野田市駅西土地区画整理事業の整備計画について|野田市ホームページ
関東地整要望活動を実施(平成28年9月6日)|野田市ホームページ
→国に対し事業予算確保を求める要望活動。2016年以降毎年行っている。
▼関連記事
東武野田線高架化工事(2014年11月29日取材)(2015年1月18日作成)
東武野田線高架化工事(2012年7月28日取材)(2012年8月10日作成)
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