新横浜駅①地上の様子 - 相鉄・東急新横浜線開業(2)

相鉄・東急新横浜駅出口7

今年3月に開業した相鉄・東急新横浜線の開業レポートの続きです。今回からは新横浜線上に新しく開業した新駅の特徴について解説します。1回目の今回は新横浜駅のうち、地上から地下1階のコンコースの一部についてです。

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相鉄・東急新横浜駅の概要

相鉄・東急新横浜駅と周辺施設の位置関係 相鉄・東急新横浜駅の横断面図
左:相鉄・東急新横浜駅と周辺施設の位置関係
※国土地理院Webサイト「地理院地図Vector(試験公開)」で公開されている「標準地図」「全国最新写真(シームレス)」合成レイヤーに加筆
右:相鉄・東急新横浜駅の横断面図
上:相鉄・東急新横浜駅と周辺施設の位置関係
※国土地理院Webサイト「地理院地図Vector(試験公開)」で公開されている「標準地図」「全国最新写真(シームレス)」合成レイヤーに加筆
下:相鉄・東急新横浜駅の横断面図

 相鉄・東急新横浜線新横浜駅は、新横浜駅北口の横浜市道環状2号線の地下に建設されました。トンネルは地表から直接掘り下げる開削工法で建設され、深さは約33m、階数は4層で地下1階が改札口やコンコース、地下2・3階が機械室とコンコース(エスカレーター乗り継ぎフロア)、地下4階がホームとなっています。環状2号線の地下30m付近には東京電力の送電線が収められたシールドトンネル(直径約5.7m)が既に存在したため、トンネルの最大幅が28.5mに制限されました。そのためホームは島式2面3線となり、中央の線路の両側にホームがあるレイアウトになっています。また、駅のほぼ中央では横浜市営地下鉄ブルーラインと交差しています。市営地下鉄のトンネルは地下2層構造で、地下1階のコンコース部分を左右に拡大して相鉄・東急のコンコースと一体化させました。
 地上出入口は既存の市営地下鉄の出入口6箇所に加えて、新横浜線の改札口前に通じる出入口が4箇所新設されました。環状2号線北側では、これら新旧の出入口が続番となるよう3月の新横浜線開業時に改番が実施されました。



相鉄・東急新横浜駅の様子①

 新横浜駅は非常に規模が大きい駅であるため、当初予定を変更して記事を2分割することにします。前半の今回は新設された地上出入口4箇所と改良工事が完成した地下1階市営地下鉄コンコースについて解説します。

●地上
新横浜駅北口デッキの階段跡地に新設された出口5A
出口5Aはデッキと地下1階南改札Bをエスカレーターで直結する
北口バスターミナル北端の階段下に設けられた出口5B
左:新横浜駅北口デッキの階段跡地に新設された出口5A
右上:出口5Aはデッキと地下1階南改札Bをエスカレーターで直結する
右下:北口バスターミナル北端の階段下に設けられた出口5B
上:新横浜駅北口デッキの階段跡地に新設された出口5A
中:出口5Aはデッキと地下1階南改札Bをエスカレーターで直結する
下:北口バスターミナル北端の階段下に設けられた出口5B

 相鉄・東急新横浜駅のメインの出入口となるのが新横浜駅北口正面のデッキにある出口55A5Bです。出口5は環状2号線に沿って上下エスカレーター5A、階段、エレベーター5Bが並んでおり、いずれも地下1階の南改札B(詳細は次回解説予定)の目の前に通じています。エスカレーターは地上のバスターミナルへ通じていた階段を撤去した跡地に新設されたもので、当初は既存の階段を残したまま地上から地下の間にエスカレーターを新設する計画となっていました。しかし、利便性向上のため工事途上の2021年に計画を変更し、既存の階段を撤去したうえでデッキと地下を直結するエスカレーターに集約しました。これによりバスターミナルからエスカレーターで新横浜線の改札口へ向かうことができなくなりましたが、隣接して新設されたエレベーターは地上階にも停止するため、バリアフリールートは確保されています。
 なお、新横浜駅北口の駅ビル「キュービックプラザ」内には既に市営地下鉄新横浜駅へ直結する通路出口1があり、そちらを経由しても新横浜線の駅へ向かうことは可能です。しかし、市営地下鉄のコンコースは通路幅が狭い箇所があるため、相鉄・東急では混雑悪化を防ぐ観点からデッキにあるエスカレーター5Aの利用を推奨しています。ただし、このルートは一応屋根はあるものの、屋外であるため悪天候時の利用に難があります。デッキの耐荷重次第となりますが、将来的な屋根の拡幅なども期待したいところです。

市営地下鉄出口3の奥に新設された出口6 横浜アリーナ側に新設された出口7
左:市営地下鉄出口3の奥に新設された出口6
右:横浜アリーナ側に新設された出口7
上:市営地下鉄出口3の奥に新設された出口6
下:横浜アリーナ側に新設された出口7

 これ以外の3つの出入口は環状2号線の新横浜駅入口交差点を取り囲むように新設されています。出口6は新横浜駅北口バスターミナル東端の市営地下鉄出口3と縦並びになるよう新設されました。交差点上空に架かる円形デッキの階段と沿道のビルの間の限られた空間に新設されたことから階段と上りエスカレーターのみのコンパクトな構造となっています。
 出口7は交差点北側に新設されたもので、横浜アリーナのアクセスルートであることから階段・上下エスカレーター・エレベーターのフルセットとなっています。地下駅の防災上必要となる消火用水の連結送水口や無線機の接続用端子もここに設置されており、階段横には送水先の異なるノズルが合計で10個並んでいます。

日産スタジアム側に新設された出口9 敷地が狭いため、階段は踊り場から横に逸れるレイアウトになっている
左:日産スタジアム側に新設された出口9
右:敷地が狭いため、階段は踊り場から横に逸れるレイアウトになっている
上:日産スタジアム側に新設された出口9
下:敷地が狭いため、階段は踊り場から横に逸れるレイアウトになっている

 交差点西側の出口9は、元々直近の環状2号線歩道にあった市営地下鉄旧出口5の代替として新設されたものです。この場所は市営地下鉄直下に向けて新横浜線のトンネルを掘り進める際の立坑が設けられていた場所で、その撤収に時間を要したことから使用開始が7月31日(月)までずれ込みました。こちらも日産スタジアムへのアクセスルートになることから、出口7と同じく階段・上下エスカレーター・エレベーターのフルセットですが、敷地面積がやや狭いため階段は地下の踊り場で環状2号線下へ逸れるレイアウトになっています。

●市営地下鉄コンコース
市営地下鉄コンコース中央に新設された改札口 市営地下鉄コンコース中央に新設された改札口
市営地下鉄コンコース中央に新設された改札口。左が北改札側、右が南改札側を見たところ。
市営地下鉄コンコース中央に新設された改札口。上が北改札側、下が南改札側を見たところ。

 地下1階の市営地下鉄コンコースは、新横浜線の駅と接続されるのに伴い全面的にリニューアルされました。市営地下鉄のホームから下層の新横浜線コンコース・ホームを直結する通路は設けられなかったため、代替として駅中央付近の事務室を移転させて改札口(中央改札)が増設されました。市営地下鉄と新横浜線のメインの乗り換え口となることから、エレベーターも新設されています。増設された中央改札の前に立つと左右に新横浜線の改札口があるのがわかります。

新設された中央改札正面にオープンしたミスタードーナツ 市営地下鉄日産スタジアム改札前で復活したドトールコーヒー
左:新設された中央改札正面にオープンしたミスタードーナツ
右:市営地下鉄日産スタジアム改札前で復活したドトールコーヒー
上:新設された中央改札正面にオープンしたミスタードーナツ
下:市営地下鉄日産スタジアム改札前で復活したドトールコーヒー

 市営地下鉄のコンコースが拡張されたことを利用して、市営地下鉄中央改札前にはミスタードーナツがオープンしました。また、日産スタジアム改札前で2020年夏より休業となっていたドトールコーヒーショップは、隣のセブンイレブン跡地を取り込んで店舗面積を拡大し復活しています。
 次回は引き続き新横浜線地下の駅構内の様子についてレポートします。

▼参考
2023.3.18相鉄・東急直通線開業|相鉄グループ
相鉄・東急 新横浜線 2023年3月開業予定| 東急電鉄株式会社
相鉄・東急新横浜線ご利用ハンドブック(PDF/27.23MB
市営地下鉄ブルーライン新横浜駅の新しい改札口をオープンします! 横浜市
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