山手線ホーム統合後の変化 - 渋谷駅再開発2023
公開日:2023年11月14日12:15

今年1月、JR渋谷駅で4回目の線路切替工事が実施され、80年ぶりに山手線内回り・外回りのホームが1つに統合されました。次のステップに向けて現地では使用を終了した外回りホームの解体などの工事が進んでいます。今回は渋谷駅再開発の定期レポートとして、山手線ホームの現状と今週末18・19日に予定されている線路かさ上げ工事の概要、10月に実施された東京メトロ銀座線渋谷車庫入出庫線移設についてレポートします。
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渋谷駅再開発の概要


左:渋谷ヒカリエから見た再開発着工前の渋谷駅。建設時期の異なる複数のビルの集合体だった。2013年5月6日撮影
右:移転前の銀座線降車ホーム改札口。増築を重ねたため、階段数段分など微妙な段差が無数に存在していた。2018年5月11日撮影
右:移転前の銀座線降車ホーム改札口。増築を重ねたため、階段数段分など微妙な段差が無数に存在していた。2018年5月11日撮影
上:渋谷ヒカリエから見た再開発着工前の渋谷駅。建設時期の異なる複数のビルの集合体だった。2013年5月6日撮影
下:移転前の銀座線降車ホーム改札口。増築を重ねたため、階段数段分など微妙な段差が無数に存在していた。2018年5月11日撮影
下:移転前の銀座線降車ホーム改札口。増築を重ねたため、階段数段分など微妙な段差が無数に存在していた。2018年5月11日撮影
渋谷駅はJR山手線、東急東横線など4社10路線が乗り入れています。渋谷駅に最初の鉄道路線ができたのは、1885(明治18)年の日本鉄道(現在の山手線・埼京線の一部)が開通した時のことです。以後渋谷駅には次々と新たな鉄道路線が乗り入れるようになったほか、それらの駅を包む形で東急百貨店東横店が建設されるなど、交通だけでなく商業の集積地としても発展するようになりました。これら渋谷駅の施設は戦前から増築を繰り返してきたため、手狭で老朽化が激しいだけでなく、各所に無数の段差が存在するなどバリアフリー面で大きな問題を抱えていました。

副都心線直通開始に伴い廃止された渋谷駅東横線地上ホーム。跡地は現在渋谷ストリーム・渋谷スクランブルスクエア東棟になっている。2013年3月10日撮影(4枚合成)
2013(平成25)年3月に東急百貨店東横店の一角にあった東急東横線渋谷駅が、東京メトロ副都心線との相互直通運転開始に伴い地下へ移転しました。この東横線ホーム跡地の再開発という機会を利用し、地上部分を中心に渋谷駅の施設を再構築するプロジェクトが開始されました。
2020(令和2)年1月には東京メトロ銀座線渋谷駅が東口バスターミナル上空へ移転し、ホームが乗車・降車分離型から島式ホーム1面に統合されました。この前年秋には東横線ホーム跡地で高層ビル(渋谷スクランブルスクエア東棟)が完成しており、その中に設けられたアーバンコアと呼ばれる縦の動線を経由して銀座線ホームから各方向へのバリアフリー化が実現しました。


左:埼京線の新旧ホームの位置。東急東横線地上ホーム跡地を利用し、山手線と同じ場所へ北上させた。
※航空写真は国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより。
右:2020年6月1日、埼京線利用者の悲願だった渋谷駅のホーム並列化が実現した。
※航空写真は国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより。
右:2020年6月1日、埼京線利用者の悲願だった渋谷駅のホーム並列化が実現した。
左:埼京線の新旧ホームの位置。東急東横線地上ホーム跡地を利用し、山手線と同じ場所へ北上させた。
※航空写真は国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより。
右:2020年6月1日、埼京線利用者の悲願だった渋谷駅のホーム並列化が実現した。
※航空写真は国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより。
右:2020年6月1日、埼京線利用者の悲願だった渋谷駅のホーム並列化が実現した。
その後渋谷駅では、廃止された東横線ホーム跡地を使ってJR埼京線ホームを山手線と同じ場所まで近づける工事が行われました。埼京線ホームは東横線地上ホームに設置を阻まれ、南に350m離れた貨物駅跡地に設置せざるを得ず、利用者からは「南渋谷」と揶揄されるなど長年に渡り不評を買っていました。埼京線ホームの移設工事は2020年5月に実施され、同時に地上の南口へ直結するエレベーターも新設されたことから、長年の懸案だったバリアフリールートの大幅短縮も実現しています。
山手線ホームが1つに


左:外回りホームとの統合に備え、2倍に拡幅された山手線内回りホーム。2021年10月27日撮影
右:ホーム並列・統合後のJR渋谷駅レイアウト(計画)
※航空写真は国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより。
右:ホーム並列・統合後のJR渋谷駅レイアウト(計画)
※航空写真は国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより。
上:外回りホームとの統合に備え、2倍に拡幅された山手線内回りホーム。2021年10月27日撮影
下:ホーム並列・統合後のJR渋谷駅レイアウト(計画)
※航空写真は国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより。
下:ホーム並列・統合後のJR渋谷駅レイアウト(計画)
※航空写真は国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより。
埼京線ホームの移設完了後は駅構内のレイアウトの簡略化のため、山手線外回りのホームを内回りの島式ホームに統合する工事が進められました。山手線ホームは混雑緩和のため1940(昭和15)年に両方向が分離されていたもので、これがおよそ80年ぶりに元の島式ホームに戻ることになりました。
島式ホームへの復元にあたっては、ホーム上の混雑が悪化しないようホームの幅を最大で2倍に拡幅することとされました。2020年に移設された埼京線ホームはこれに備え、山手線から少し離した位置に線路が移設されています。2021年10月に実施された第3回工事ではこの空間を利用し、ホーム統合の準備として山手線内回りの線路が埼京線側へ5m移設されました。

今年1月7・8日に実施された渋谷駅山手線ホーム切替工事のイメージ。外回りの線路を移設して内回りとホームを統合した。
そして今年1月7日(土)・8日(日)、JR渋谷駅4回目の工事となる山手線内回りと外回りのホーム統合が実施されました。この工事では外回りのホームの先端を2~3m削り取り、外回りの線路を移設します。同時に内回りのホームを拡幅し、外回りのホームを廃止します。線路の移設を伴うため、この2日間山手線外回りは大崎~池袋間で終日運休となり、並行する埼京線・湘南新宿ラインや地下鉄各線での振替輸送が実施されました。
左:渋谷駅恵比寿寄りで行われた人力での線路移設作業
右上:レールを一旦取り外して橋桁の移設中。奥が使用を終了した旧外回りホーム。
右下:旧大山街道を片側通行規制して宮益架道橋の橋桁を移設中。
右上:レールを一旦取り外して橋桁の移設中。奥が使用を終了した旧外回りホーム。
右下:旧大山街道を片側通行規制して宮益架道橋の橋桁を移設中。
上:渋谷駅恵比寿寄りで行われた人力での線路移設作業
中:レールを一旦取り外して橋桁の移設中。奥が使用を終了した旧外回りホーム。
下:旧大山街道を片側通行規制して宮益架道橋の橋桁を移設中。
中:レールを一旦取り外して橋桁の移設中。奥が使用を終了した旧外回りホーム。
下:旧大山街道を片側通行規制して宮益架道橋の橋桁を移設中。
1月の工事では線路の移動量が小さいため、横に新しい線路を事前敷設するということはできず、当日レールを一旦取り外したうえで線路や橋桁を人力で移動させる方法がとられました。恵比寿寄りはバラスト軌道であるため、一旦バラストを抜いたうえで人力で線路を動かす光景が見られました。また、線路移設の範囲は原宿寄りの宮益架道橋(旧大山街道)にも及ぶことから、工事期間中は旧大山街道が一部通行止めとなりました。

運休区間に並行して走る臨時列車はN'EXの運転再開に伴い大崎~新宿間に短縮された。
1月の工事の際は、2021年の内回りのホーム拡幅時と同様に通常大崎駅・新宿駅で折り返しているりんかい線・埼京線が延長され、この区間の運転本数が2倍程度に増発されました。また、前回と同様この区間を単純往復する臨時列車も運転されましたが、運転区間は大崎~新宿間に短縮されました。これはコロナ禍により運休となっていた特急成田エクスプレスが運転を再開したため、大崎~品川間の線路容量が枯渇したためと思われます。(この区間は横須賀線と一部線路を共有しているうえ、平面交差での分岐があり、運転本数に著しい制約がある。)
左:内回り・外回り一体のホーム運用を開始した渋谷駅。
右上:旧外回りホーム事務室に貼られたポスター
右下:原宿寄りで使用を開始した仮設階段
右上:旧外回りホーム事務室に貼られたポスター
右下:原宿寄りで使用を開始した仮設階段
上:内回り・外回り一体のホーム運用を開始した渋谷駅。
中:旧外回りホーム事務室に貼られたポスター
下:原宿寄りで使用を開始した仮設階段
中:旧外回りホーム事務室に貼られたポスター
下:原宿寄りで使用を開始した仮設階段
工事は無事完了し、1月9日(月)より内回りと外回りが1つのホームとして運用を開始しました。使用を終了した旧外回りホームの事務室には駅員による感謝のメッセージが書かれたポスターが掲出されました。
同日よりホーム原宿寄りで、ハチ公口へ通じる新しい階段も使用を開始しています。この新しい階段は仮設のもので、将来ホーム中央付近にもう1箇所階段を増設したうえで現在のホーム端にある階段を廃止し、仮設階段は向きを逆向きに入れ替えます。そして廃止した階段跡地にホームを延長し、停止位置を原宿寄りに移動させます。これは後述する恵比寿寄りでの改札口新設とも関連した計画です。


左:1月15日より使用を開始した中央改札へ通じる新しい階段
右:階段の上は渋谷スクランブルスクエア中央棟の一部になる
右:階段の上は渋谷スクランブルスクエア中央棟の一部になる
上:1月15日より使用を開始した中央改札へ通じる新しい階段
下:階段の上は渋谷スクランブルスクエア中央棟の一部になる
下:階段の上は渋谷スクランブルスクエア中央棟の一部になる
さらに翌週1月15日(日)からは中央改札へ通じていた階段2箇所と上りエスカレーターが廃止となり、わずかに恵比寿寄りに移動した地点で新しい階段と上下エスカレーターの使用を開始しました。この新しい階段とエスカレーターは建設中の渋谷スクランブルスクエア中央棟の一部になる構造物で、ビル完成後の長期使用に耐えるようタイルなども貼り付けられた本格的なものとなっています。階段を登った3階は将来巨大なコンコースとなり、南北双方に改札口が設けられます。
2日間で山手線の線路をかさ上げ

今週末実施される山手線ホーム工事のイメージ。外回り・内回りの順に1日ずつ運休して線路をかさ上げする。
当初計画ではこの第4回工事でJR渋谷駅の線路切替は終わる予定でした。しかし、山手線の線路をよく見ると埼京線よりもわずかながら線路が低くなっています。線路下の空間利用の最大化を図るため、着工後に第5回工事として山手線の線路とホームを埼京線と同じ高さにかさ上げする工程が追加されました。上昇量は最大で20cmです。

中央改札へ向かう新階段はかさ上げ後のホームに合わせて作られているためスロープが挟まっている。
どれくらいホームがかさ上げされるのかがわかる場所が実はもう存在します。先ほど載せた中央改札へ向かう新しい階段をもう一度見てみましょう。ホームの床面との間に怪しげなスロープがありますね。
この階段は先に説明した通り、渋谷スクランブルスクエア中央棟完成後も使用する予定になっており、繰り返しの追加工事を避けるためかさ上げ後の山手線ホームの高さに合わせて作られています。現在はわずかにホームが低いため、その隙間をスロープで埋めているのです。


左:旧外回りホームの屋根は線路かさ上げに支障する部分のみ乱雑に切除されている。
右:その奥、旧玉川改札付近でも東急南館解体が進んでおり徐々に空が見えるようになってきた。
右:その奥、旧玉川改札付近でも東急南館解体が進んでおり徐々に空が見えるようになってきた。
上:旧外回りホームの屋根は線路かさ上げに支障する部分のみ乱雑に切除されている。
下:その奥、旧玉川改札付近でも東急南館解体が進んでおり徐々に空が見えるようになってきた。
下:その奥、旧玉川改札付近でも東急南館解体が進んでおり徐々に空が見えるようになってきた。
山手線の線路上空には線路のかさ上げを妨げる高さの低い構造物多数ありました。特に外回りホーム原宿寄りの屋根は特に低かったことから、外回りホーム廃止直後から線路と重複する部分のみを大急ぎで切除する工事が進められています。線路上部の梁のみを切除すると屋根全体が線路側に倒壊してしまうため、旧ホーム床面に
なお、外回りホームの裏手にあった東急百貨店東横店南館は、4~5階まで解体されたところで一旦工事がストップしていました。山手線外回りホームが廃止され、使用中の部分が無くなったことから春頃より解体作業が再開されており、空が見えるようになりつつあります。

渋谷駅山手線ホームかさ上げ工事に伴う振替輸送ルート図
この山手線ホームかさ上げ工事は今週末11月18日(土)・19日(日)の2日間にわたり実施されます。18日(土)は外回り、19日(日)は内回りを今年1月工事時と同様大崎~池袋間で終日運休して工事が実施されます。振替輸送についても前回とほぼ同様ですが、大崎~新宿間の臨時列車はさらに運行が縮小し、両日とも昼(12時)以降の運転となる予定です。
▼参考
JR渋谷駅改良工事の本体工事着手について - JR東日本(2015年7月14日発表・PDF/780KB)
渋谷駅線路切換工事に伴う列車の運休について - JR東日本(2018年2月27日発表・PDF/1.4MB)
渋谷駅線路切換工事に伴う列車の運休および新しい埼京線ホームの供用開始について - JR東日本(2020年2月18日発表・PDF/1.1MB)
渋谷駅山手線内回り線路切換工事(ホーム拡幅)に伴う列車の運休について - JR東日本(2021年7月19日発表・PDF/3.8MB)
渋谷駅 山手線外回り線路切換工事(内・外回り同一ホーム化)に伴う列車の運休について - JR東日本(2022年10月18日発表・PDF/1.58MB)
渋谷駅山手線内・外回り線路切換工事に伴う列車の運休について - JR東日本(2023年8月8日発表・PDF/1.6MB)
August 2018:特集-2「緊迫の48時間」JR渋谷駅改良 埼京上り線切換工事 | KAJIMAダイジェスト | 鹿島建設株式会社
渋谷駅改良計画 - 土木施工2015年8月号72~75ページ
JR渋谷駅改良工事 - 土木施工2019年11月号97~104ページ
東京メトロ銀座線入出庫線移設

10月14・15日入出庫線仮線切替後の銀座線渋谷駅レイアウト
2021年にホーム部分は完成した東京メトロ銀座線渋谷駅ですが、東急百貨店西館の解体がおおむね完了したことから、次のステップであるJR線上空の橋梁架け替えに向けた準備が進んでいます。10月14日(土)・15日(日)にはこの一環として、渋谷マークシティ内にある上野検車区渋谷分室(以下、渋谷車庫)へ通じる入出庫線を仮線に切り替える工事が実施されました。仮線は取り壊された旧乗車ホーム(2番線)跡地を通り、西口バスターミナル(神宮通り)に出る直前でS字にカーブしながら旧2番線に通じていた線路※1に合流する線形となっています。当日は2番線を封鎖し、1番線のみを使ってほぼ通常通りの運転※2が実施されました。
▼脚注
※1:2020年1月の現ホーム使用開始後は旧1番線(降車ホーム)の線路が入出庫線とされたため、線路が途切れた状態で使用停止となっていた。その後一部ポイントを撤去し、今回仮線の一部として使用が再開された。
※2:土・休日ダイヤでは本数が少ないため、1線のみで折り返しが可能であり、かつ渋谷車庫からの出庫を止めても通常運行を維持できた。


左:銀座線スクランブルスクエア方面改札前から渋谷車庫方向を見る。仮線はあらかじめ準備されていた屋根に沿って右にカーブするよう敷設された。(同じ場所の2020年1月20日の様子)
右:仮線は旧乗車ホーム跡地を通り、東急西館跡地で旧線と合流している。手前の枕木だけになっている部分が旧線。(同じ場所の2020年1月20日の様子)
右:仮線は旧乗車ホーム跡地を通り、東急西館跡地で旧線と合流している。手前の枕木だけになっている部分が旧線。(同じ場所の2020年1月20日の様子)
上:銀座線スクランブルスクエア方面改札前から渋谷車庫方向を見る。仮線はあらかじめ準備されていた屋根に沿って右にカーブするよう敷設された。(同じ場所の2020年1月20日の様子)
下:仮線は旧乗車ホーム跡地を通り、東急西館跡地で旧線と合流している。手前の枕木だけになっている部分が旧線。(同じ場所の2020年1月20日の様子)
下:仮線は旧乗車ホーム跡地を通り、東急西館跡地で旧線と合流している。手前の枕木だけになっている部分が旧線。(同じ場所の2020年1月20日の様子)
現ホームにはM字型の屋根が被せられていますが、その終端は将来の入出庫線複線化を考慮して幅が広く作られていました。今回切り替えられた仮線はその広くなっている屋根に合わせて敷設されています。使用を終了した旧入出庫線は直ちに撤去されており、翌週にはバラストとまくらぎをごく一部残すだけの状態となっていました。
今後は旧線が載っていた青い橋桁を撤去し、その跡地に入出庫線複線化に対応した新しい橋桁を架けることになります。ほとんど更地となった東急西館跡地では、その工事に必要となる仮設の構台の組み立てが少しずつ進められています。現ホーム建設時は直下が道路やバスターミナルだったことから、適宜通行止めにしつつ新しい構造物を作ることが可能でした。一方これから架け替える橋桁の下はJR山手線であることから、長時間に渡り運転を止めることは不可能であり、現ホーム建設時を遥かに上回る難工事となることが予想されます。制約だらけの中でどのように工事を進めていくのか注目してまいりたいと思います。
▼参考
特集「全面的にリフレッシュする東京メトロ銀座線-開業88年米寿の若返り計画-」 - 土木施工2015年5月号
銀座線渋谷駅改良工事に伴う第一回線路切替え工事 - 日本鉄道施設協会誌2017年1月号58~61ページ
銀座線渋谷駅改良工事に伴う線路切替え工事計画について - 土木学会第71回年次学術講演会(PDF/667KB)
“Shibuya Sakura Stage”まもなく開業


左:11月30日に竣工予定のShibuya Sakura Stage
右:ビルの完成に伴い、12月1日より代官山方面へも再度通り抜け可能になる。
右:ビルの完成に伴い、12月1日より代官山方面へも再度通り抜け可能になる。
上:11月30日に竣工予定のShibuya Sakura Stage
下:ビルの完成に伴い、12月1日より代官山方面へも再度通り抜け可能になる。
下:ビルの完成に伴い、12月1日より代官山方面へも再度通り抜け可能になる。
渋谷駅南西側には、桜丘町と呼ばれる雑居ビルなどが立ち並ぶ区画がありました。このエリアは20年以上前から再開発を模索する動きがありましたが、渋谷駅全体の再開発着手に合わせてようやく計画が具体化し、2019年以降本格的な工事が進められてきました。
今年2月には新しいビルの名称が“
Shibuya Sakura Stageのビルは今月30日(木)に竣工します。その後順次テナントの入居が開始され、来年夏にはまちびらきイベントが開催される予定です。ビルの完成に伴い、一時廃道となっていた代官山方面へ通じる道路も12月1日(金)に再開通します。


左:右手前からShibuya Sakura Stage、建設中のJR南口橋上駅舎(仮称)、渋谷ストリーム
右:山手線ホーム恵比寿寄りで始まった新改札口の階段工事。将来この先はホームが一部撤去される。
右:山手線ホーム恵比寿寄りで始まった新改札口の階段工事。将来この先はホームが一部撤去される。
上:右手前からShibuya Sakura Stage、建設中のJR南口橋上駅舎(仮称)、渋谷ストリーム
下:山手線ホーム恵比寿寄りで始まった新改札口の階段工事。将来この先はホームが一部撤去される。
下:山手線ホーム恵比寿寄りで始まった新改札口の階段工事。将来この先はホームが一部撤去される。
このShibuya Sakura StageとJR山手線を挟んで反対側の渋谷ストリームの間には新改札口※3を設ける計画があり、渋谷ストリームは3階部分に施設を接続可能な構造で建設されていました。Shibuya Sakura Stageの着工後はその駅舎の建設も本格的に開始されており、山手線ホーム恵比寿寄りの上空に4層構造の建物ができつつあります。今年に入ってからはホーム上でも階段の工事が開始されており、ホーム端がかなり狭くなっています。なお、今後山手線ホームは原宿寄りに延長され停止位置が移動するため、最終的にこの部分はホームが一部撤去されます。新改札口の使用開始は2026年頃を予定しています。
この新改札口に関係して気になるのが旧埼京線ホーム南端にある「新南口改札」の存廃です。新南口は12月1日より山手線西側にデッキを延長してShibuya Sakura Stageに接続されますが、上記の新改札口が完成した後も新南口が改札口として存続するのかについてはJR・自治体双方とも現在のところ公表していません。通路として残されている旧埼京線ホームとともにその扱いが今後注目されます。
▼脚注
※3:渋谷区の資料では「(仮称)渋谷駅南口橋上駅舎」と表記されている。
▼参考
Shibuya Sakura Stage(公式サイト)
Shibuya Sakura Stage|大規模プロジェクト|東急不動産
桜丘地区まちづくり | 検討中のまちづくり(渋谷駅周辺) | 渋谷区ポータル
→「第2回渋谷駅桜丘口再開発(渋谷サクラステージ)開業に伴う交通環境説明会(令和5年10月25日(水曜日)開催)」のPDF資料にJR渋谷駅新改札口などの説明
厳戒態勢のハロウィン

「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」の横断幕で埋め尽くされたハチ公口広場
最後はいつものハチ公口交差点にやってまいりました。今回は例のごとく混雑を避けるため、10月28日(土)の夜勤明け早朝に渋谷駅を訪れました。渋谷駅周辺は数年前から10月末のハロウィンシーズンになるとどこからともなく人が集まり、路上での飲酒や騒ぐといった行為が横行するといった問題が発生していました。今年はこのような行為を阻止するべく、渋谷区は10月28日から3日間渋谷駅ハチ公口前広場の大半を壁や布で覆い封鎖する措置を取りました。これらの「厳戒態勢」により当日は大きな混乱は起きなかった模様です。
観光地としての知名度ゆえに大勢の人が集まり、住民生活に支障が出るケースは「オーバーツーリズム」として世界的に問題となっています。人を集めることによる効果は様々ですが、やりすぎは逆に問題を引き起こすこともあるため、集める数やその「質」に関しては議論の余地がありそうです。
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