150周年記念ツアーで見る品川駅の過去と未来 - 品川駅再開発2022(1)

品川駅旧地下通路

品川駅では、2015年の上野東京ライン開業を発端とした駅施設の整理・跡地の再開発が進められています。昨年のレポートから1年が経ち、現地では山手線外回りホームが移動するなど新たな変化がありました。また、今年は品川駅が開業して150周年という節目の年にもなります。これを記念して今月上旬、普段は公開されていない業務用通路や工事中のエリアを巡る特別ツアーが開催されました。今回も2回に渡り品川駅再開発のここ1年の動向について、ツアーの模様も交えながらレポートします。

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上野東京ライン開業と品川駅再開発

神田駅付近で建設中の上野東京ライン高架橋。東北新幹線建設時に準備してあった橋脚に部材を継ぎ足しした。 神田駅の二重高架区間から下ってきた上野東京ラインの185系試運転列車。
左:神田駅付近で建設中の上野東京ライン高架橋。東北新幹線建設時に準備してあった橋脚に部材を継ぎ足しした。2011年10月30日撮影
右:神田駅の二重高架区間から下ってきた上野東京ラインの185系試運転列車。2014年11月7日撮影
上:神田駅付近で建設中の上野東京ライン高架橋。東北新幹線建設時に準備してあった橋脚に部材を継ぎ足しした。2011年10月30日撮影
下:神田駅の二重高架区間から下ってきた上野東京ラインの185系試運転列車。2014年11月7日撮影

 2015(平成27)年3月14日、東海道線東京駅と東北本線(宇都宮・高崎線)・常磐線上野駅を結ぶ新しい路線「上野東京ライン」(建設中の名称は「東北縦貫線」)が開業しました。上野東京ラインの開業により、湘南新宿ラインに続く2本目の東京都心縦断ルートが完成し、東海道線と宇都宮・高崎・常磐線の直通運転が可能になりました。
 上野東京ライン開業では、直通運転による乗換回数の減少という我々乗客サイドでの効果に加えて、車両運用が効率化されるという運転サイドでの効果もありました。東海道線は品川駅、宇都宮・高崎・常磐線は上野駅(尾久駅)にそれぞれ車両基地があります。2004(平成16)年の湘南新宿ラインの本格運転開始時に、東海道線と宇都宮線・高崎線の各路線向けにE231系が大量投入されましたが、当時は双方の車両基地が直接繋がっておらず、ごく一部の車両が融通されるに留まっていました。
 上野東京ライン開業によりこれらの車両基地が直接結ばれたため、これらの路線で車両運用の完全共通化が実現しました。この結果、品川駅の車両基地を大幅に縮小することが可能となりました。縮小により生じた土地にはオフィスビルなどを建設し、その利益を上野東京ライン東京~上野間の新線区間建設費支払いに充てる計画となっています。

2020年3月以降の品川駅構内配線図
2020年3月以降の品川駅構内配線図 ※クリックで拡大(3450×1200px/167KB)

 品川車両基地の再開発は2009(平成21)年から開始されています。着工前の品川駅は、東海道線の上下線間に臨時ホームと呼ばれる2面の島式ホームがありました。このホームは新幹線網が整備される以前、行楽シーズンを中心に全国各地へ向けて臨時列車が多数発着していましたが、1990年代以降はほとんど使用されず遊休化していました。臨時ホームは駅北側にある車両基地に直結しており、そのままでは東京方面からの折り返しには使用できません。また、車両基地自体も消滅した客車列車に最適化されたレイアウトになっていたため、上野東京ラインの運行上の必要性からも改修が急がれ、2017(平成29)年秋までに工事が完了しました。
 新しい車両基地は、従来の車両基地を東側半分程度に縮小したものとなっています。跡地の有効利用のため、2018(平成30)年以降は旧車両基地の西端を走っていた山手線・京浜東北線についても新車両基地に沿うように順次移設されました。移設後の線路の途中には再開発エリアの玄関口となる高輪ゲートウェイ駅が設けられ、2020(令和2)年に暫定開業しています。

山手線と京浜東北線の対面乗換化

京浜東北線北行と山手線外回りの対面乗換化イメージ。京浜東北線北行を4番線に移設し、旧3番線の上にホームを拡幅して山手線外回りホームに転用する。
京浜東北線北行と山手線外回りの対面乗換化イメージ。京浜東北線北行を4番線に移設し、旧3番線の上にホームを拡幅して山手線外回りホームに転用する。
 
 2018年6月の京浜東北線南行(大船方面)線路移設時、品川駅の京浜東北線南行ホームが旧東海道線上りの5番線に移設されました。この時点では京浜東北線ホーム移設の理由は明らかにされていませんでしたが、翌年2月になりJR東日本より品川駅の京浜東北線北行(大宮方面)と山手線外回りがホーム対面で乗り換えられるようになることが発表されれました。具体的には上記の南行加えて、北行の線路についても旧南行ホームの4番線に移設し、旧北行ホームは線路を撤去してホームを拡幅、山手線外回りのホームに転用するというものとなっています。これにより京浜東北線で川崎方面から来た利用者が橋上駅舎を経由せずに山手線渋谷方面へ向かうことが可能となり、駅構内の混雑緩和が期待されます。

2021年12月に京浜東北線と山手線の対面乗換化が完成した。 旧山手線外回りの2番線ホームはホームドアを固定柵に置き換え中。
左:2021年12月に京浜東北線と山手線の対面乗換化が完成した。
右:旧山手線外回りの2番線ホームはホームドアを固定柵に置き換え中。2022年2月15日撮影
上:2021年12月に京浜東北線と山手線の対面乗換化が完成した。
下:旧山手線外回りの2番線ホームはホームドアを固定柵に置き換え中。2022年2月15日撮影

 2019年11月に実施された品川駅最後の線路切替工事で、京浜東北線北行が4番線に移設されました。その後は旧3番線の線路の撤去とホームの拡幅が進められ、昨年12月5日(日)より山手線外回りのホームとして使用を再開しました。旧2番線はホームとしては廃止となり、ホームドアを撤去して固定柵に置き換える工事が進められています。従来からある山手線ホームは内回り専用となり、渋谷駅や原宿駅などと同様のレイアウトとなっています。

※この先画像が26枚(1.42MB)あります。画像はスクロールに従って自動で読み込まれます。データ容量にご注意ください。


品川駅仮開業150周年記念ツアーで巡る過去と未来


配布されたツアーリーフレット

 今年2022年は日本で鉄道が開業してから150年という節目の年となっています。これを記念して全国各地の鉄道事業者では、イベント開催やグッズの販売など様々な企画が発表されています。
 日本で最初の鉄道開業は、一般的に1872(明治5)年10月14日(旧暦9月12日、営業運転は翌日から)の新橋(汐留)~横浜(桜木町)間と言われていますが、品川~横浜間についてはそれに先駆けて6月12日(旧暦5月7日)より仮営業を開始していました。品川駅ではこの仮開業150周年を記念して、今月4・5・11日の計3日間、JR東日本東京支社・東京工事事務所主催により「品川駅未来体感ツアー」と題し、かつて使用されていた旧地下通路や建設中の地下物流施設と北通路の拡張エリアを巡る特別ツアーが開催されました。
 ツアーの告知と募集は、5月中旬にTwitterのJR東日本東京工事事務所公式アカウントとJR東日本が運営している通販サイト「JRE MALL」にて行われました。ツアーは各日とも2回ずつ開催で、コロナ禍ということで定員はいずれも12名と非常に少なかったことから数日中に全回とも完売となりました。運よく筆者もこのツアーの存在に気づき、かつ偶然にも(翌日大阪で開催されるライブに行く準備のため)休暇申請をしていたことから即申し込みの手続きを行い、6月4日(土)午前の回へ参加してまいりました。ここから先はツアーの内容に沿って品川駅の工事中エリアについて説明してまいります。

①まずは歴史の解説

駅たびコンシェルジュで展示されていた品川駅のジオラマ

 当日はまず品川駅みどりの窓口隣にある駅たびコンシェルジュ(観光案内所)に集合しました。今回のツアーは営業運転中の線路に近接した工事エリアにも入るため、反射ベストとヘルメットを着用します。待機場所の横には、品川駅の空撮写真を使用したジオラマが用意されており、これと映像を使いながら今回のツアーの内容と注意事項などの説明を受けました。

品川駅高輪口駅舎 駅前広場中央にあった品川駅創業記念碑は工事のため広場の端に仮移設中
左:品川駅高輪口駅舎。2020年2月23日撮影
右:駅前広場中央にあった品川駅創業記念碑は工事のため広場の端に仮移設中。
上:品川駅高輪口駅舎。2020年2月23日撮影
下:駅前広場中央にあった品川駅創業記念碑は工事のため広場の端に仮移設中。

 続いて高輪口に移動し、駅舎や開業記念碑などについて古い写真や図面を併用しつつ説明を受けました。現在の高輪口の駅舎は外観こそリニューアルされているものの、建物自体は1953(昭和28)年に完成した古いものです。また、駅舎の北端にある3階建ての部分は戦前から存在していました。駅舎の建設当時京急線は品川駅が起点となっており、都営浅草線との直通運転も正式には決定していませんでした。しかしながら駅舎の裏手には線路2本分の空間が用意されており、京急線の泉岳寺方面への延伸の際は駅舎本体に手を加えることなく高架橋を建設できています。
 半世紀以上使われてきたこの高輪口駅舎ですが、今後は京急品川駅地平化およびそれに合わせて国土交通省が進める駅前の再整備に合わせて建て替えられることになります。

②20年前に封印された地下通路へ
1998年10月に完成した品川駅の東西自由通路。レインボーロードの愛称があるがほとんど定着していない。 橋上駅舎と地下通路の位置関係イメージ
左:1998年10月に完成した品川駅の東西自由通路。レインボーロードの愛称があるがほとんど定着していない。
右:橋上駅舎と地下通路の位置関係イメージ
上:1998年10月に完成した品川駅の東西自由通路。レインボーロードの愛称があるがほとんど定着していない。
下:橋上駅舎と地下通路の位置関係イメージ

 続いて現在は業務用通路になっている旧地下通路へ向かいます。現在の品川駅は、線路上空を横断する東西自由通路(レインボーロード)とそれを両側からサンドイッチする形で北側と南側の改札内コンコースがあるレイアウトになっています。1998(平成10)年までは東西自由通路と北側の改札内コンコースが存在せず、港南口と各ホームの間はほぼ同一位置にあった地下通路で結ばれていました。品川駅は埋立地にあるため地下通路の排水は極めて悪く、ちょっとした雨で度々冠水して列車の運行にも影響を与えることがありました。

業務用通路として存続している旧地下通路
通路の内装はほとんど手が加えられておらず、床面には点字ブロックが残っている。
天井に残る工事の案内
左:業務用通路として存続している旧地下通路
右上:通路の内装はほとんど手が加えられておらず、床面には点字ブロックが残っている。
右下:天井に残る工事の案内
上:業務用通路として存続している旧地下通路
中:通路の内装はほとんど手が加えられておらず、床面には点字ブロックが残っている。
下:天井に残る工事の案内

 橋上駅舎の完成後地下通路は外見上閉鎖されましたが、通路自体は埋められることなく業務用の施設として存続しています。この空間は品川駅構内で使用する電気や水道などの各種ライフラインの敷設ルートとなっており、天井や壁にはおびただしい数のパイプが張り巡らされているほか、通路の一部を占拠する形で巨大な受水槽が設置されています。
 通路の躯体自体は地上のホーム改修に伴い一部補強されているものの、大部分は一般開放されていた当時のままとなっています。各ホームへ通じていた階段跡の床面には点字ブロックや通行区分を示す矢印のシールが残っているほか、通路端の天井には「平成10年9月」と書かれた工事の案内が掲出されたままとなっています。40代以上の読者の皆様はこの緑色の床面を覚えている方も多いのではないでしょうか?

閉塞された階段の跡。ここは3・4番線に通じていたもので、エスカレーターピットとして活用されている。 9・10番線の階段跡に設置されている荷揚げ用リフト。奥の壁面に湘南色が見える。
左:閉塞された階段の跡。ここは3・4番線に通じていたもので、エスカレーターピットとして活用されている。
右:9・10番線の階段跡に設置されている荷揚げ用リフト。奥の壁面に湘南色が見える。
上:閉塞された階段の跡。ここは3・4番線に通じていたもので、エスカレーターピットとして活用されている。
下:9・10番線の階段跡に設置されている荷揚げ用リフト。奥の壁面に湘南色が見える。
 

 ホームへ通じていた階段は閉塞されていますが、一部は橋上駅舎へ通じるエスカレーターのピットとして有効活用されているほか、9・10番線の階段跡は港南口から駅ナカ商業施設へ商品を搬入するルートとして残されています。階段の開口部には商品を引き上げるためのリフトが設置されており、その壁面には東海道線のラインカラーであるオレンジと緑のペイントが残っています。(現在このリフトは使用しておらず、代わりに目の前にある通常型のエレベーターで運搬を行っています。)通路内には商品運搬に使用する折りたたみ台車やロールボックスパレット(カゴ台車)が大量に並べられています。
 なお、階段跡の一部は上野東京ライン開業に向けたホーム改修工事の過程で2014年頃に一時的に露出しており、弊サイトの記事でも取り上げています

③線路下の巨大空間
リニア中央新幹線の品川駅は東海道新幹線ホームの直下で建設中。線路が仮設桁に作り替えられている。
リニア中央新幹線の品川駅は東海道新幹線ホームの直下で建設中。線路が仮設桁に作り替えられている。2019年11月3日撮影

 港南口から商品搬入に使用されている旧地下通路ですが、港南口では現在2030年代の開業を目指してリニア中央新幹線の地下駅建設が進められており、まもなく通路が分断されてしまう予定です。そこでこのルートの代替として、高輪口側(第一京浜)から出入りできる新しい荷捌き施設を作る工事が2019年より開始されています。新しい施設は品川駅のホーム東京寄り地下に設けられており、駐車スペースは今後の駅ナカ商業施設の充実を見据えて20台分完備し、第一京浜との間は幅7m、長さ150mのスロープトンネルで接続されます。この工事の過程で高輪築堤の遺構が初めて発見されたことは昨年の記事で説明しました。(高輪築堤については次回詳しく解説します。)

品川駅北部地下で建設中の物流施設。面積は2,700㎡もある。
品川駅北部地下で建設中の物流施設。面積は2,700m2もある。 ※クリックで拡大(1500×854px/360KB)

 今回はこの建設中の新荷捌き施設にも入ることができました。荷捌き施設は東海道線上り本線の6番線から上野東京ラインの折り返しホームである9・10番線の直下で建設が進められています。9・10番線ホームの端にある幅50cmほどの仮設階段を降りると、そこにはちょっとしたビルが入ってしまうほどの巨大な空間が広がっていました。
 現在は施設の底面に相当する深さまで掘削が終わっており、その中で拡張後の北通路を支える柱の基礎杭を埋め込む作業が進められています。地上のホームは通常通り営業運転を継続しており、列車は鋼管と鉄桁で組まれた仮の高架橋の上を走行しています。弊サイトでもこれまで何度も説明してきた鉄道線路直下の掘削工事ですが、実際はこのような光景が広がっているのです。
 なお、高輪築堤の遺構は6番線直下(上記のパノラマ写真の右端)で発見されました。記録保存に向けた調査は昨年6月までに終了しており、今回のイベントの時点では完全に解体済みで何も残っていませんでした。

駐車スペースと第一京浜をつなぐトンネルは完成している。 トンネル内では品川駅の歴史に関する資料が閲覧できた。
左:駐車スペースと第一京浜をつなぐトンネルは完成している。
右:トンネル内では品川駅の歴史に関する資料が閲覧できた。
上:駐車スペースと第一京浜をつなぐトンネルは完成している。
下:トンネル内では品川駅の歴史に関する資料が閲覧できた。

 荷捌き施設本体と第一京浜をつなぐトンネルの一部はコンクリートの覆工まで完了しています。トンネルは途中で直角に曲がっており、山手線西側に出て京急線沿いの地上を通り第一京浜に接続します。今回はこの完成済みの空間を利用して品川駅に関する資料の展示や映像上映が行われました。

④将来駅前広場となるデッキで撮影タイム
時間を延長して見学した品川駅北口駅前広場予定地 デッキから北通路を見る。今後さらに床面を奥へ拡張し、北通路を現在の2倍以上に拡幅する。
左:時間を延長して見学した品川駅北口駅前広場予定地
右:デッキから北通路を見る。今後さらに床面を奥へ拡張し、北通路を現在の2倍以上に拡幅する。
上:時間を延長して見学した品川駅北口駅前広場予定地
下:デッキから北通路を見る。今後さらに床面を奥へ拡張し、北通路を現在の2倍以上に拡幅する。

 ツアー募集時の説明では地下荷捌き施設の見学までとなっていましたが、今回参加した6月4日は事前の予報に反して天候に恵まれたことから、90分だった催行時間をさらに延長して建設中の北通路拡張部分も見学できることになりました。
 現在の北通路は幅7mでベックスコーヒー以外の店舗は無く、JR各線のホーム間と改札口の行き来に特化されたものとなっています。今後地平化される京急品川駅は現在よりも駅全体が北側に移動する予定となっており、北通路でも京急線の駅と接続する必要があります。また、北通路のさらに300mほど東京寄りでは、2030年代前半に線路上空を横断する環状4号線が整備される予定となっています。これら新たに建設される周辺施設と接続するため、北通路の先へさらに人工地盤を建設し、北通路を現在の2倍に拡幅する工事が進められています。拡張後の北通路には各ホームへ通じるエレベーターを新設するほか、南側のエキュート品川と同様の駅ナカ商業施設を整備します。また、通路北側には改札口と駅前広場を整備し、環状4号線を通じた道路交通との結節点として機能する予定です。

北口予定地から京急品川駅方向を見る。線路の上で柱や梁の組み立てが行われている。
地上に置かれている梁の部材
記念撮影用に用意された工事記録撮影用の黒板
左:北口予定地から京急品川駅方向を見る。線路の上で柱や梁の組み立てが行われている。
右上:地上に置かれている梁の部材
右下:記念撮影用に用意された工事記録撮影用の黒板
上:北口予定地から京急品川駅方向を見る。線路の上で柱や梁の組み立てが行われている。
中:地上に置かれている梁の部材
下:記念撮影用に用意された工事記録撮影用の黒板

 現在の北通路拡張部分は人工地盤の土台となる鋼製の柱や梁を組み立てていく作業が行われています。ある程度組み立てが完了した部分にクレーン設置用の仮の床板が載せられており、今回はその部分に登らせていただきました。ここで10分ほど撮影や質疑応答の時間となり、工事現場で記録撮影用に使われている黒板もご用意いただきました。部材の組み立て作業ができるのは毎晩終電~始発までの2、3時間程しかなく、終電間際にダイヤ乱れが生じた場合は作業が延期になるなど、スケジュール管理に大変苦労しているとのことでした。

デッキの上から東京寄りの車両基地を見る。 奥では環状4号線用の橋脚の製作が既に開始されている。
左:デッキの上から東京寄りの車両基地を見る。
右:奥では環状4号線用の橋脚の製作が既に開始されている。
上:デッキの上から東京寄りの車両基地を見る。
下:奥では環状4号線用の橋脚の製作が既に開始されている。
 
 品川駅北側を通る予定の環状4号線は2019年7月に事業認可され、昨年からはJR各線をオーバーパスする部分で橋脚を作る工事が開始されています。線路左側のオレンジ色の櫓の後ろ、緑色のネットの中に見える巨大な黒い円筒が橋脚(P7)です。

⑤最後に硬券へ日付入れ体験
お土産は品川駅開業時の入場券を模した台紙付きの硬券 硬券の日付入れに使用したダッチングマシン
左:お土産は品川駅開業時の入場券を模した台紙付きの硬券
右:硬券の日付入れに使用したダッチングマシン
上:お土産は品川駅開業時の入場券を模した台紙付きの硬券
下:硬券の日付入れに使用したダッチングマシン

 最後に駅たびコンシェルジュに戻り、お土産として品川駅開業時の入場券を模して作られた硬券に日付を入れる作業を体験しました。日付を入れる際は通常のゴム印ではなく、かつて実際に駅業務で使用されていたダッチングマシンという機械を使います。これは上下に分かれたボックスの中に日付を印字するための機構が内蔵されており、ボックスの間に券を入れてスライドさせると自動的に印字が行われる仕掛けになっています。この日のために大宮の鉄道博物館から借用し、イベント担当者による入念なテスト印字も行ったとのことで、参加者全員共に綺麗に印字ができました。
 予定を30分以上オーバーする盛り上がりの中、担当者からのあいさつの後イベントは終了となりました。今回のイベントを考案いただきましたJR東日本東京支社・東京工事事務所の皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

▼脚注
※機械の表面に「Dating Machine」と記載されている通り、「デイティング」を誤読したものがそのまま定着したものと思われる。


京急品川駅地平化の準備

山手線旧品川電車区跡地は施設の撤去が完了し京急に引き渡された。 泉岳寺寄りの高架下も施設が撤去され空洞になっている。
左:山手線旧品川電車区跡地は施設の撤去が完了し京急に引き渡された。
右:泉岳寺寄りの高架下も施設が撤去され空洞になっている。
上:山手線旧品川電車区跡地は施設の撤去が完了し京急に引き渡された。
下:泉岳寺寄りの高架下も施設が撤去され空洞になっている。

 JR品川駅の再開発に合わせて、隣接する京急品川駅では現在高架橋にある駅を地上化するとともに、隣の北品川駅を高架化する連続立体交差事業が2020年よりスタートしています。2020年春には着工準備のため、高架下にあったラーメンテーマパーク「品達」やウイング高輪などの商業施設が一斉に閉店しました。
 京急品川駅の地平化は、2019年3月のダイヤ改正で廃止されたJR山手線の留置線(旧品川電車区)の跡地を使用するため、まずその設備の撤去を完了させる必要があります。旧品川電車区は、1967(昭和42)年に山手電車区(現在の東京総合車両センター東エリア)が新設されるまで検修機能が置かれていました。検修庫では過去に有害なクロム酸鉛(六価クロム)を含む塗料や溶剤の使用が確認されており、土壌が汚染されている可能性があったことから入念な調査が実施されました。その結果、表土に若干の汚染が認められたことから、留置線跡地全体について地表から10cmの深さまで新しい砕石への入れ替えが行われました。また、この過程で過去に存在した建物や電化柱の基礎とみられるコンクリート塊などが多数見つかったためその撤去に時間を要し、当初2020年9月に予定されていた京急電鉄への土地の引き渡しが1年ほど遅れることになりました。
 現在京急の高架下では残っていた施設の解体撤去がおおむね完了しており、今後は地平化工事中に電車の迂回ルートとなる仮線の敷設が行われます。一方、駅北側では調査の結果仮線の一部が高輪築堤の遺構に一部重なることが判明し、現在その扱いについて検討が続けられています。2回目の記事ではその高輪築堤を中心に品川駅北側の再開発や泉岳寺駅拡張の現状についてレポートします。

▼参考
●JR東日本ニュースリリース
宇都宮・高崎・常磐線の東京駅乗り入れについて(東海道線との相互直通運転)(2002年3月27日発表)
宇都宮・高崎・常磐線の東京駅乗り入れ工事の着手について(2008年3月26日発表・PDF/62KB)
田町~品川駅間に新駅を設置し、まちづくりを進めます(2014年6月3日発表・PDF/1.41MB)
「上野東京ライン」開業により、南北の大動脈が動き出します~開業時期、直通運転の概要について~ (2014年10月30日発表・PDF/27KB)
品川駅のお乗り換え利便性向上と混雑緩和及びバリアフリールートの拡充に取り組みます(2019年2月26日発表・PDF/828KB)

●専門誌・論文資料
品川駅地下物流施設支障移転等 - 東工技報第33号
品川駅改良(Ⅱ期) - 東工技報第34号

●その他Webサイト
品川駅周辺地区 | UR都市機構
港区議会 令和4年1月24日 建設常任委員会
→「資料№1 品川駅周辺地区地区計画の変更(案)について」に品川駅北口の計画詳細 このエントリーをはてなブックマークに追加
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