新日本橋駅(現地写真(地下)) - 総武・東京トンネル(9)

最終更新日:2021年1月30日
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新日本橋駅:1km342m11~1km019m71(L=322m40)

●概説
●現地写真(地上)
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●駅立体CG図
新日本橋駅3D解剖図新日本橋駅3D解剖図
(PDF/121KB)


●現地写真(地下1階)
地下1階改札口
中央通りに近い出口4は「神田駅近道」の案内板(写真右上)がある。
出口5に向かう通路は狭い。
左(1):地下1階改札口
右上(2):中央通りに近い出口4は「神田駅近道」の案内板(写真右上)がある。
右下(3):出口5に向かう通路は狭い。

 新日本橋駅の改札口は駅の中央に1箇所に設けられており、そこから両方向の端までに改札外コンコースが伸びている。地上はビジネス街であることから平日と休日で利用者数に極端な差があり、自動改札機は平日のラッシュ時に対応するため台数が多くなっている。コンコースの途中にはコンビニ(NEWDAYS)もあるが、このような環境ゆえに日曜祝日は休業となっている。なお、中央通りを北に5分ほど行くと神田駅があるため、出口4の案内板には「神田駅近道」と書かれている。

東京メトロ銀座線との交差部分は床が高くなっている。正面のシャッターの部分には改札口を設ける計画があった。
東京メトロ銀座線三越前駅へ通じる通路。
連絡通路は2019年に拡張され、コレド室町テラスと一体化された。
左(1):東京メトロ銀座線との交差部分は床が高くなっている。正面のシャッターの部分には改札口を設ける計画があった。
右上(2):東京メトロ銀座線三越前駅へ通じる通路。
右下(3):連絡通路は2019年に拡張され、コレド室町テラスと一体化された。

 改札を出て東京方面に進むと、東京メトロ銀座線三越前駅へ通じる連絡通路が分岐している。銀座線のトンネルは連絡通路の真下を通っており、天井の一部が地下1階の床を突き破っているため前後のコンコースの間にスロープがある。連絡通路は中央通り沿道での再開発に合わせて通路幅が大きく拡大されており、南側のコレド室町テラスの地下階と一体化された。
 なお、連絡通路の分岐点には以前JR東日本東京提携販売センター(びゅうプラザの法人顧客専門窓口)があったが、現在は閉店しておりシャッターが閉まったままとなっている。工事誌によると、このセンターの場所にもう1箇所改札口を設ける計画が存在したようである。工事誌には詳細な計画図も掲載されており、それによると駅端まで近いためエスカレーターは地下2階までとなり、そこから先は折り返して2フロア分階段で昇り降りするレイアウトになっていた。実際には改札口を2箇所も必要とするほど多くの利用は期待できないことから、今日に至るまでスペースを確保するのみに留まっている。

改札を入ると両側に地下3階へ向かうエスカレーターがある。 特別避難階段と2011年に新設されたエレベーター
左(1):改札を入ると両側に地下3階へ向かうエスカレーターがある。
右(2):特別避難階段と2011年に新設されたエレベーター


 改札口を入ると、両側に地下3階へ通じるエスカレーターが3機ずつ設置されている。また、エスカレーターの手前には使用されていない階段が左右1箇所ずつある。これは特別避難階段であり、地下3階まで通じている。階段周りはタイルも貼られた本格的な仕上げとなっており、ラッシュ時には通常階段として開放することも考えていたようである。2011(平成23)年には改札左側に地下4階のホームへ直通するエレベーターが新設された。エレベーターに干渉する左側の階段はこの際形状を変更している。



●現地写真(地下3階)
地下3階コンコース 2019年まで残っていた開業時の案内板。
左(1):地下3階コンコース
右(2):2019年まで残っていた開業時の案内板。


 地下3階はエスカレーターとホームへ向かう階段の中継コンコースである。ホームへ降りる階段周りのタイルの色はベージュとなっている。駅構内の案内板は新旧様々なものが混在しており、地下3階のホームへ降りる階段の前には現在直通列車が消滅した「大原」の文字が入った開業時のものも残されていた。これらの案内板は2019年末に実施された路線・駅ナンバリング対応に伴う一斉リニューアルにより消滅している。

コンコース間は「非常通路」により接続
コンコース間は「非常通路」により接続

 コンコースは両国寄りと東京寄りの2群に分かれており、その間は機械室となっている。機械室の脇は「非常通路」という扱いになっているが、柵などは設置されておらず常時通行が可能となっている。非常通路内は照明が少ないうえ清掃もあまり行き届いておらず、機械室からわずかに漏れるモーター音が何ともいえない不気味さを醸し出している。

2017年頃に設置された天井補強用のアルミフレーム
2017年頃に設置された天井補強用のアルミフレーム(写真は地下1階コンコースのもの)

 なお、新日本橋駅では2017(平成29)年頃以降大規模地震時に天井板の落下を防止するための補強が実施されている。補強は、既存の化粧板の上に太いアルミ製のフレームを追加することにより行われており、コンコース階では空調の吹き出し口周囲がフレームで囲まれ物々しいデザインとなった。補強に合わせて照明も蛍光灯からLEDにリニューアルされ全体的に明るくなっている。

●現地写真(地下4階)
地下4階のホーム。上下線とも完全な直線である。
地下4階のホーム。上下線とも完全な直線である。

 地下4階のホームは全長に渡り幅10mの島式ホームとなっている。地上の道路が直線であるため、ホームも上下線ともに完全な直線となっており見通しが良い。ホーム天井は、空調ダクトの突起を利用して駅名・次駅名の案内が描かれている。(同様の案内サインは馬喰町駅にも存在したが、再塗装の際消去されている。)一方、線路側の壁は化粧板がなく、トンネル躯体のコンクリートに塗装を下だけの簡素な仕上げとなっている。馬喰町駅程ではないが地下水位の上昇により漏水が激しくなってきており、壁面にはおびただしい数の黒いシミが見られる。また、線路側に化粧板が無く音を吸収するものが少ないことから、ホーム上の案内放送が激しく反響しており聞き取りづらい場合がある。

駅名案内サインは空調吹き出し口の突起を有効活用したデザイン。 銀座線交差部分は鋼管柱ではなくコンクリート壁になっている。
左(1):駅名案内サインは空調吹き出し口の突起を有効活用したデザイン。
右(2):銀座線交差部分は鋼管柱ではなくコンクリート壁になっている。


 東京寄りの階段の前は、ホーム上の柱が鋼管ではなくコンクリートの壁になっている。これは東京メトロ銀座線との交差部分で、掘削前に浅い部分から鋼管を建て込むことができなかったため、地下で構築できる鉄筋コンクリートが採用された。完成時に一応の防水処理はしてあったが、地下水位上昇と経年劣化により漏水が激しくなっており、天井には導水樋が張り巡らされている。

(つづく)
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