東武伊勢崎線とうきょうスカイツリー駅付近高架化工事(2018・2019年取材)

高架化される桜橋通りの踏切から見た東京スカイツリー

東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)のとうきょうスカイツリー~曳舟間では、2018年より高架化工事が開始されています。2018年以降、この工事について調査を続けてきましたが、昨年12月末に工事区間の線路が仮線に切り替えられるなど進展がありました。今回は事業の概要と着工から仮線切替までの様子をお伝えします。

もくじ
■世界一の電波搭足元で「復活」した
   高架化計画

■工事は複雑な手順に
A断面:とうきょうスカイツリー駅ホーム
          ・西側留置線

B断面:東側留置線(押上駅駅前広場
          ~桜橋通り踏切)

C断面:桜橋通り踏切~曳舟駅手前
■仮線切替が進む
●2018年
●2019年(仮線切替前)
●2019年(仮線切替後)
■今後

世界一の電波搭足元で「復活」した高架化計画

東武伊勢崎線の起点である浅草駅。東京スカイツリーオープンに合わせてリニューアルされ、創建当時の外壁が再び見られるようになった。 東武鉄道の看板車両100系特急「スペーシア」。
左(1):東武伊勢崎線の起点である浅草駅。東京スカイツリーオープンに合わせてリニューアルされ、創建当時の外壁が再び見られるようになった。
右(2):東武鉄道の看板車両100系特急「スペーシア」。2枚とも2014年9月21日撮影


 東武伊勢崎線は東京都台東区の浅草駅を起点に、埼玉県東部の春日部を経由し、群馬県の伊勢崎駅まで至る全長114.5kmの私鉄路線です。路線中ほどの東武動物公園駅からは日光線が分岐しており、世界遺産に登録されている日光東照宮や福島県へ続く尾瀬国立公園を初めとする観光地へのアクセス路線にもなっています。これら観光地へのアクセス列車として浅草駅からは特急「スペーシア」「リバティ」が運行されています。
 一方、起点の浅草駅から隅田川を渡ってすぐのところにある業平橋なりひらばし駅前の貨物駅跡には、2012(平成24)年に首都圏の地上波テレビ放送のデジタル化へ対応する新しい電波搭である東京スカイツリーが完成しました。東京スカイツリーは自立式電波搭としては世界最高となる634mを誇り、塔内2箇所の展望台に加え低層部分に水族館を初めとする商業施設(東京スカイツリータウン/東京ソラマチ)を備える東京の新たな観光スポットとして親しまれています。また、この東京スカイツリーのオープンに合わせて、真下にある業平橋駅を「とうきょうスカイツリー駅」改称したほか、東武伊勢崎線浅草~東武動物公園間に「東武スカイツリーライン」の愛称が与えられています。

東側の西十間橋から見た東京スカイツリー。右手前の高層ビルはオフィスビルの東京スカイツリーイーストタワー。
東側の西十間橋から見た東京スカイツリー。右手前の高層ビルはオフィスビルの東京スカイツリーイーストタワー。2011年11月26日撮影

 とうきょうスカイツリー駅および前後にある浅草駅・曳舟駅はいずれも高架橋になっています。ターミナルである浅草駅はデパート(松屋)の内部にホームがある立地ゆえに列車の長編成化に対応できず、10両編成の列車については手前の北千住駅・曳舟駅で一部車両を切り離す、もしくは業平橋駅南側に設けられた地上ホームを都心側のターミナルとして使用してきました。2003(平成15)年に東武伊勢崎線と東京メトロ半蔵門線の相互直通運転が開始されると、切り離しを行わない10両編成の列車は全て半蔵門線に流すようになり、業平橋駅の地上ホームは廃止されました。(北千住駅での切り離しも2013年で廃止)地上ホーム跡地はその後東京スカイツリータウンの一部となっています。
 伊勢崎線と半蔵門線は業平橋駅ではなく隣の曳舟駅で接続することとなり、曳舟駅付近の線路は大きく改造され高架区間が浅草方面へ延長されました。当初計画では、さらに高架橋を延長して業平橋駅まで完全に連結し、業平橋駅自体は150m曳舟方面へ移設して2面4線に大幅に拡張することとなっていました。この事業は、北千住~北越谷間の複々線化とともに特定都市鉄道整備事業の認定を受け、運賃への上乗せによる工事資金調達も開始していました。しかし、景気後退下による乗客減少もあって期間途中の2001(平成13)年5月に工事の中止が決定してしまいます。
 この結果、とうきょうスカイツリー~曳舟間の中央で交差する桜橋通り1箇所のみが踏切(伊勢崎線2号踏切)で残された状態となりました。業平橋駅地上ホームが廃止されたことにより、この踏切を通過する列車は若干減少しましたが、依然遮断回数は多く交通渋滞が問題となっていました。踏切には隣接して浅草駅を発着する特急列車の運用調整や清掃に使用する留置線が合計10本あり、高架化には多大なコストと時間を要することから現状維持の状態が続いてきました。

今回高架化対象となったとうきょうスカイツリー~曳舟間にある桜橋通りの踏切。特急「リバティ」が通過中。 踏切の隣には浅草駅発着の特急車両が使う留置線がある。
左(1):今回高架化対象となったとうきょうスカイツリー~曳舟間にある桜橋通りの踏切。特急「リバティ」が通過中。
右(2):踏切の隣には浅草駅発着の特急車両が使う留置線がある。


 しかし、東京スカイツリーのオープン以後周辺では人や車の流動が大きく変わり、地域の発展や安全性の観点から踏切の解消はもはや不可避な情勢となってきました。2005(平成17)年には、同じ東武伊勢崎線の竹ノ塚駅において当時手動式だった踏切遮断機の誤操作により通行人が列車にはねられ死傷する事故が発生しました。これを受け連続立体交差事業の要件が緩和され制度や費用面での目処が付いたことから、2011(平成23)年よりとうきょうスカイツリー駅付近の高架化に向けた検討がスタートしました。
 10年前に一度は諦めてしまった高架化計画の「復活」です。

▼脚注
※それまでの連続立体交差事業の採択基準は「事業主体は都道府県または政令指定都市」「幹線道路の踏切が350m以上の間隔をあけて2本以上ある」となっていた。2004年の改訂では「事業主体の人口20万人以上の都市・特別区への拡大」、2006年の改訂では「歩行者・自転車交通の多い踏切(歩行者ボトルネック踏切)への対象拡大」が新たに盛り込まれた。また、、2007年には事業費の無利子貸付制度の創設、地域特性を踏まえた鉄道事業者の費用負担率の改訂も行われた。


とうきょうスカイツリー~曳舟間高架化前後の比較図
とうきょうスカイツリー~曳舟間高架化前後の比較図 ※クリックで拡大(JPEG/1200×1000px/212KB)
※本図は国土地理院Webサイト「地理院地図Vector(試験公開)」で公開されている「淡色地図」「空中写真」合成レイヤーに加筆したものである。

 とうきょうスカイツリー駅付近の高架化事業は、連続立体交差事業の新しい採択基準に則り墨田区が事業主体となり進められます。高架化区間の長さは約900mで、桜橋通りの踏切に加え計画中の都市計画道路2本(内1本は言問通りの拡幅)を立体化することにより連続立体交差事業の基準を満たします。工事は鉄道の高架化では一般的な仮線方式(現在線の隣に仮の線路を用意し、元の線路の位置に高架橋を建設する方法)により行います。
 とうきょうスカイツリー駅は、隣接する地下鉄押上駅や地上にある駅前広場との一体化を考慮し、ホームを曳舟方面に150m移設します。移設後のホームは片面+島式の2面3線に拡張することに加え、一部の線路の長さが10両編成に対応する210mに延長されます。これは旧業平橋駅地上ホームの復活ともいえるもので、拡張が不可能な浅草駅に対するサブターミナルとしての役割を持たせる狙いがあるとみられます。一方、駅北側にある留置線はレイアウトを大幅に変更した上で高架化し維持する計画です。
 着工に向けた都市計画手続きは2015(平成27)年12月から約1年半かけて進められ、2017年7月に墨田区と東武鉄道の間で施工協定が締結、翌年1月より工事が始まりました。 総事業費は約315億円で、東武鉄道が80億円、国・東京都・墨田区が残りの235億円を負担します。完成は2024(令和6)年度の予定です。



工事は複雑な手順に

※この先画像が28枚(1.5MB)あります。画像はスクロールに従って自動で読み込まれます。(JavaScriptが有効の場合のみ)データ容量にご注意ください。

高架化着工前のとうきょうスカイツリー駅構内配線
高架化着工前のとうきょうスカイツリー駅構内配線

 現在のとうきょうスカイツリー駅のホームは島式ホーム1面2線となっています。留置線はホーム端から桜橋通りの踏切にかけての地上に設けられており、本線との接続部分を境に西側(6~10番線)と東側(1~5番線)の2群に分かれています。高架化工事は、この留置線を一部残しながら進めるため大変複雑な手順となっています。以下、地点ごとの切替手順を説明していきます。

A断面:とうきょうスカイツリー駅ホーム・西側留置線
 現在のとうきょうスカイツリー駅ホーム端から西側留置線にかけては本線が盛土の高架橋、留置線が地上となっています。高架化時は留置線の一部を仮線に転用し、盛土の高架橋をコンクリート製の高架橋に作り替えます。工事の手順は以下の通りです。

とうきょうスカイツリー駅ホーム・西側留置線高架化手順
とうきょうスカイツリー駅ホーム・西側留置線高架化手順
※クリックで拡大

①着工前
②留置線の一部を撤去する。
③撤去した留置線跡地に地上へ降りる仮上下線を敷設し、現在線を撤去する。
④下り線を高架化する。また、留置線を完全に撤去し、跡地に仮上り線を移設する。(2次仮線化)
⑤上り線を高架化する。
⑥仮線跡地に留置線の高架橋を建設し完成。

B断面:東側留置線(押上駅駅前広場~桜橋通り踏切)
 東側の留置線付近(押上駅駅前広場~桜橋通り踏切)は本線も地上を走ります。この付近も留置線の一部を仮線に転用し、元の本線・留置線の跡地に高架橋を建設します。工事の手順は以下の通りです。

東側留置線(押上駅駅前広場~桜橋通り踏切)高架化手順
東側留置線(押上駅駅前広場~桜橋通り踏切)高架化手順
※クリックで拡大

①着工前
②留置線の一部を北側に移設する。
③撤去した留置線跡地に仮下り線を敷設し、上下線を1本ずつ北側に移設する。
④撤去した上り線跡地に高架橋を建設し、上り線を高架化する。
⑤下り線をさらに離れた位置に移設する。(2次仮線化)
⑥跡地に下り線・留置線用の高架橋を建設し、それぞれを高架化する。

C断面:桜橋通り踏切~曳舟駅手前
 桜橋通りの踏切から曳舟駅手前(工事終点)までの間は本線のみとなっています。この付近は2003年の半蔵門線直通開始時に押上駅へ向かうトンネルの建設やそれに伴う仮線敷設のため用地を北側に拡幅しており、工事終了後は東武鉄道が管理する駐車場として利用されていました。高架化時はこの駐車場を廃止して仮線を敷設し、元の本線跡地に高架橋を建設します。
 なお、高架化完成後はこの付近にも留置線が並行して建設される計画となっています。これは前述のとうきょうスカイツリー駅10両化に合わせて留置線も10両編成対応に延長するためとみられます。工事の手順は以下の通りです。

桜橋通り踏切~曳舟駅手前高架化手順
桜橋通り踏切~曳舟駅手前高架化手順
※クリックで拡大

①着工前
②駐車場を廃止した跡地に仮線を建設し、上下線を1本ずつ北側に移設する。
③撤去した上り線跡地に高架橋を建設し、上り線を高架化する。
④下り線をさらに離れた位置に移設する。(2次仮線化)
⑤仮上り線跡地に下り線用の高架橋を建設、高架化する。
⑥仮下り線跡地に留置線用の高架橋を建設する。

仮線切替が進む

 とうきょうスカイツリー駅付近の高架化工事は2018年より開始されています。今回は2018年8月18日・10月7日、2019年8月10日・12月31日の4回調査した現地の様子をまとめてお届けします。

●2018年
2018年の工事箇所。留置線の半分が撤去され、線形変更やポイントの入れ替えが行われた。
2018年の工事箇所。留置線の半分が撤去され、線形変更やポイントの入れ替えが行われた。

 2018年は留置線のレイアウト変更に向けて西側留置線では6・8・9番線の撤去、10番線の線形変更が行われました。東側留置線では1・2番線を北側に移設するため、ポイントの入れ替えならびに移設予定地にあった支障物の移設・撤去が進められました。

とうきょうスカイツリー駅北側出口付近から西側留置線を見る。盛土の上が本線。 西側留置線の入口。手前では10番線の線形を変更するため、バラストが抜かれている。
左(1):とうきょうスカイツリー駅北側出口付近から西側留置線を見る。盛土の上が本線。
右(2):西側留置線の入口。手前では10番線の線形を変更するため、バラストが抜かれている。


 西側留置線のうち、6~8番線は車内清掃に使用するため線路左右にホームと同じ高さの作業台が設けられていました。実運用では作業台付きの線路をそこまで多くは必要とはしないことから、2018年8月時点では7番線を残して撤去されていました。また、作業台がない線路は本線から一番遠い10番線のみを残すこととされました。10番線の一部には床下点検に使用するピットが設置されていましたが、留置線入口の線形を変更するにあたりこれが支障となるため埋め戻しが行われました。

桜橋通りから見た東側留置線。手前のバラストが敷かれている部分が留置線増設予定地。
留置線入口で組み立て中のDSS。
押上駅A3出口前では留置線増設に支障となる地下駅換気搭の移設が進む。
左(1):桜橋通りから見た東側留置線。手前のバラストが敷かれている部分が留置線増設予定地。
右上(2):留置線入口で組み立て中のDSS。
右下(3):押上駅A3出口前では留置線増設に支障となる地下駅換気搭の移設が進む。

 東側留置線はこの時点では隣に留置線が移設される5番線のみが使用停止となっていました。5番線の入口では増設する留置線に線路が分岐できるようポイントがDSS(ダブルスリップスイッチ)に交換されました。DSSは線路の交差と分岐2つの機能をコンパクトにまとめられるメリットがありますが、一方で構造が非常に複雑で頻繁なメンテナンスが必要になることから、近年新規での設置例はあまり見られなくなりました。今回は用地が非常に狭いことからやむなくこのポイントが選択されたようです。
 このほか、留置線の移設予定地には地下を通る半蔵門線押上駅の換気搭があったことから、予定地外に移設されています。

●2019年(仮線切替前)
2019年前半の工事箇所。東側留置線の線路移設が完了し、仮線敷設が開始された。
2019年前半の工事箇所。東側留置線の線路移設が完了し、仮線敷設が開始された。

 2019年前半は、西側留置線10番線の使用が再開されたほか、とうきょうスカイツリー駅では仮線との接続部分を作るため曳舟寄りのホームの一部が撤去されました。東側留置線では1・2番線が北側に移設、3番線が撤去されました。これにより本線に並行して仮線用地が確保されたため、急ピッチで仮線の敷設作業が進めらました。

撤去されたとうきょうスカイツリー駅のホーム曳舟寄り。8両の停車時間帯以外は柵で封鎖されていた。 代わりに浅草寄りに延長されたホーム。将来の移転に備え屋根は非設置。
左(1):撤去されたとうきょうスカイツリー駅のホーム曳舟寄り。8両の停車時間帯以外は柵で封鎖されていた。
右(2):代わりに浅草寄りに延長されたホーム。将来の移転に備え屋根は非設置。


 とうきょうスカイツリー駅の曳舟寄りホーム端は、仮線への接続時に線路の位置が移動します。移動準備のため曳舟寄りのホーム約1両分を撤去することとなり、浅草寄りにホームが延長され2019年3月23日より停止位置が移動しました。とうきょうスカイツリー駅は高架化完成時に曳舟寄りに移転するため、延長部分のホームは床面のみの最小限の設備で作られています。
 なお、浅草駅では8両編成まで対応する線路が1本しかないため、8両で運行されるのは朝夕ラッシュ時の一部通勤列車に限られています。とうきょうスカイツリー駅では8両が運行されない時間帯にホームの両端1両分を柵で封鎖していましたが、停止位置移動後はこの措置を中止しています。

使用を開始した東側留置線新6・7番線。 使用を終了した1~3番線は早々に撤去され仮線敷設が進められている。
左(1):使用を開始した東側留置線新6・7番線。
右(2):使用を終了した1~3番線は早々に撤去され仮線敷設が進められている。


 東側留置線1・2番線は2019年2月に移設が完了しました。移設後の留置線は隣の5番線の続きで6・7番線と付番されています。(西側留置線の旧6・7番線はこの時点で撤去済み)1・2番線移設と同時に3番線も使用を終了しており、これら3線は早々に線路が撤去され仮線の敷設が開始されました。また、架線柱についても仮線の位置に合わせたものに建て替えられました。

仮下り線の軌道が埋め込まれた桜橋通りの踏切。 曳舟方面で構築が進む仮下り線用の仮設高架橋。左下は半蔵門線押上駅へ向かうトンネル入口。
左(1):仮下り線の軌道が埋め込まれた桜橋通りの踏切。
右(2):曳舟方面で構築が進む仮下り線用の仮設高架橋。左下は半蔵門線押上駅へ向かうトンネル入口。


 桜橋通りの踏切から曳舟方面では、線路北側に仮線用の高架橋を構築する作業が進められました。仮設高架橋は短期間しか使用しないことから、鉄骨を組み合わせた簡素な構造になっています。仮設高架橋の直下には半蔵門線押上駅へ向かうトンネルが埋まっており、仮設高架橋の積載荷重に耐えられるようトンネルの一部を補強しています。

●2019年(仮線切替後)
仮線切替後のレイアウト。地上へ線路が降りる地点を境に仮線の位置関係が変わっている。
仮線切替後のレイアウト。地上へ線路が降りる地点を境に仮線の位置関係が変わっている。

 2019年12月21日(土)、高架化区間全体が仮線に切り替えられました。留置線があり作業箇所が非常に多いことから、21日は21時以降浅草~曳舟間が運休となり、浅草駅発着の普通・区間準急・区間急行は曳舟駅、特急は北千住駅でそれぞれ折り返し運転が実施されました。半蔵門線直通列車は通常通り運行され、運休区間には都営浅草線が併走していることからそれらを利用した振替輸送が実施されました。

線形が変更されたとうきょうスカイツリー駅のホーム。木材などにより幅を微調整している。 移転したとうきょうスカイツリー駅東改札
左(1):線形が変更されたとうきょうスカイツリー駅のホーム。木材などにより幅を微調整している。
右(2):移転したとうきょうスカイツリー駅東改札


 仮線の接続地点となるとうきょうスカイツリー駅は、線路の移設範囲がホームの途中まで食い込んだため、ホーム先端は木材などにより幅を微調整しています。また、高架橋本体の改造準備のため曳舟寄りの高架下にあった東改札口が12月4日に浅草方面へ30m移転しています。また、東改札に隣接していたムーミンカフェについても2020年3月31日にて閉店し、東京ソラマチ1階(タワーヤード6番地)に移転しています。

とうきょうスカイツリー駅ホーム端から仮線接続地点を見る。この付近は現在線を完全に放棄した。
仮線と留置線の接続部分にはSSSが採用されている。
とうきょうスカイツリー駅北側出口(閉鎖)付近から拡幅された盛土高架を見る。
左(1):とうきょうスカイツリー駅ホーム端から仮線接続地点を見る。この付近は現在線を完全に放棄した。(高解像度画像/261KB
右上(2):仮線と留置線の接続部分にはSSSが採用されている。
右下(3):とうきょうスカイツリー駅北側出口(閉鎖)付近から拡幅された盛土高架を見る。

 とうきょうスカイツリー駅ホーム端から地上へ降り切る地点までは、現在線の脇に盛土が2線分拡幅されました。このため、上下線とも現在線は完全に放棄し、完全に新しい線路へ移動しています。留置線への接続部分はコンパクトにまとめる必要があるため、交差と分岐の機能を兼ね備えたSSS(シングルスリップスイッチ)が使用されています。

地上へ降り切った地点からは仮線の位置が複雑に変化する。 ここから曳舟方面は下り線のみ仮線に切替。
左(1):地上へ降り切った地点からは仮線の位置が複雑に変化する。
右(2):ここから曳舟方面は下り線のみ仮線に切替。


 線路が地上に降り切った地点から曳舟方面は仮線用地が1線分しかありません。そのため、仮線も1線のみ敷設されており、12月の工事では下り線のみが仮線に切り替えられました。桜橋通りの踏切は仮線切替により線路の横断距離が長くなったことから、周辺にそれについての注意文が掲出されています。

桜橋通りの踏切を通過する上り列車。 踏切の横断距離が長くなったことに関する注意書き
左(1):桜橋通りの踏切を通過する上り列車。
右(2):踏切の横断距離が長くなったことに関する注意書き


今後

桜橋通りの踏切から曳舟方面を見る。上り線は2020年2月頃に旧下り線に切り替えられた。
桜橋通りの踏切から曳舟方面を見る。上り線は2020年2月頃に旧下り線に切り替えられた。

 年明け以降は新型コロナウイスるの感染拡大等もあり現地を訪問できていませんが、2月頃に桜橋通り踏切付近の上り線が仮線(旧下り線)に切り替えられたとの情報を得ています。とうきょうスカイツリー駅西側では、隅田川橋梁に併設した歩道橋「すみだリバーウォーク」、高架下商業施設東京ミズマチがまもなく完成します。これらの施設とともに変化を続ける東京スカイツリー周辺の状況に今後も注目してまいりたいと思います。

▼参考
高架化工事他の現状 | 企業情報 | 東武鉄道ポータルサイト
東武伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)連続立体交差事業 墨田区公式ウェブサイト
墨田区議会平成20年第1回定例会(2008年2月20日)議事録
→過去に計画された高架化について。直接リンクができないためご覧になりたい場合は墨田区議会会議録検索システムより検索。
伊勢崎線・地下鉄11号線直通化工事状況 - Tomo TOBU 東武鉄道を“ナナメにみる”私設ファンサイト

※2021,07,01:図の一部に誤りがあったため修正しました


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